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世界は占いに支配されている  作者: 米 春幸
第八章 明国編
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それぞれの思い

 ビア、エルク、ミアの三人は蛇国の街に着き、一息ついていた。


「ようやく蛇国の街の中心部に着いたか。数日を費やしてしまったが」


「来る途中の砂漠の地は、広大でしたね……」


「ラクダで行けばすぐ、なんて言ったのは一体誰よ?」


「……それ、ビア様じゃなかったですか?」


「……それにしてもミアちゃんはエルクに肩入れしすぎよ?

私の護衛だってことを忘れたの?」


「ごめんなさい……でも」


「こうしてエルクに会えたのも私のお陰でしょ?そしてお金を出しているのも私。

もう少し私の護衛らしくしてくれなきゃ」


「はい……」


「最近の行動はさすがに目に余るわよ?もうエルクのことしか見えていないんじゃない?」


「…………」

 ミアは恥ずかしながら俯いた。


「ってそれは最初からか」


「まあまあ、二人とも……」



 三人は蛇国のシークスフィア協会蛇国支部を目前に捉えていた。


「まさかこんな場所まで来ることになるなんてね。

ところでその知り合いとやらは、本当にここにいるんでしょうね?」


「ああ、彼女は昔からの友人なんだ。同じシークスフィア功国校出身の同級生でね。

この国で神官になってからは、私も一目置いている存在なんだ」


「その神官様のお名前は何ていうんですか?」


「シアラ・トゼヒョだ」


「シアラ……?あまり聞いたことのない名前ね」


「そうかい?まあ当時は私と君のお姉さんの方がずっと有名だったからね……」


「ベア……」

 ビアは名前を言いかけて、口を紡いだ。


「……やっぱりエルク様はすごいですね。神官のご友人がいるなんて。

どんな人なのか気になります……」


「神官の友人なら私にもいるわよ?

でも今回はエルクがどうしてもっていうから、話に乗っただけで」


「そう……ですね」


「はあ……その反応の無さよ?さっきから指摘していることは」


「すいません……」


「シアラに会えたら、早速二人の居場所を聞いてみることにしよう。

シアラの力があれば確実にわかるはずだし、我々に色々と協力してくれることだろう」


「だといいのだけどね……」



☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆


 時を同じくして、風国ではエミール、レナーテの二人がロルドの家の前で話していた。


「レナーテちゃん、本当に行くんですか?」


「そう……。そのために情報を集めたんだから、今日こそは直接……」


「大丈夫ですかね?」


「やると決めたらからには、しっかりやり遂げなきゃ」


「随分と積極的だなあ……」


 意を決して、二人は家の玄関ドアをノックした。



 数秒後、家の扉はゆっくりと開いてアイが姿を現した。


「……すいませんアイ先輩、突然押しかけてきて。今日はどうしても聞きたいことが」


「もう、私たちは情報を掴んでいるんですよ。アイさんが組織の一員だってことを。

たくさんの情報がそれを証明しているんです」

 レナーテは力強く言った。


「そうなんだ。確かに……私は組織の一員だけど?」


「……意外とあっさりと認めましたね?」


「最近私の周りをこそこそ嗅ぎまわっていたでしょ?

私はいいけれど、組織の力を甘く見ると痛い目見るよ?

もうこれ以上君たちが首を突っ込むのは、やめておいたほうがいいと思うよ?」


「ですが……」


「情報を掴んだんならわかるでしょ?

協会に属していて、組織にも属している者は私以外にも大勢いるんだよ。

それとも何か私に聞きたいことでもあったの?」


「それは……」


「確かに、アイさんが組織に入っていることは……。

それ自体は別にいいんですけど、一つだけ聞きたくて。

先日、青い鳥の像が盗まれた事件にもアイさんは協力していたんですか?」


「……やったよ?でも別に悪いことじゃないんだよ」


「やっぱり……」


「そうだ、どんな内容だったのか二人にも教えてあげるよ。

組織の詳しいこともね。情報屋に聞くだけじゃ真実はわからないだろうから」


 アイは二人に詳しく組織のことを説明した。

 多少の言い争いも起きたが、アイはうまく理由をつけて二人を納得させた。



「そういうことだったんですね……」


「じゃあ今度私と一緒についてくる?組織の活動を実際に見てみればもっとよくわかるよ。

それにもうすぐ一つの大きな作戦が始動するの」


「レナーテちゃん?どうします……?」


「大きな作戦ってまさか」


「そうだよ、大神官にボスが直接抗議をしに行く。

今、各国にいる組織の面々が明国に続々と集まっているんだよ。

これがうまく終われば、きっと組織は協会と一つになるだろうね」


「それは……」


「とにかく今度の作戦の話も聞いていってよ。きっと二人にも組織の良さがもっとわかるからさ」


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