大爆発のその後
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「向こうの世界の力がこんなにあるなんてな」
「黒の素質、二人の力で大爆発かあ。これが違う世界の力なんだね」
「これでシークスフィア協会を……。潰せる第一段階をクリアしたわね」
「そうだねベアトリーチェ、計画は無事に成功です」
「本当に長かったわね……。それにしても青の兄妹はよくやったわ」
「まったく、この役目も本当に面倒だった。これで終わりだと思うと清々するな」
「そうだね、わざわざ演技するのも疲れるしね」
「お前は、最初から完全に素が出てただろう?」
「まあねー」
「だがよく任務を果たした。クロアは立派に成長を遂げた」
「だよねー。クロアは私が最初に導かなかったら、今頃まだ路地裏生活続けてたよ」
「……ところでこれからどうしますか、爆発の中心部では二人仲良く倒れているようですが」
「クロアはこちらに連れていく」
「本当に?」
「利用価値があるし、いやむしろ作戦の最後のカギよ」
「じゃあ私の好きにしてもいい?」
「その時が来るまで……。ならいいわよ」
「やった」
「あの残りの三人はどうなりましたか……?」
「さすがにあの男は……。瞬時に状況を理解して逃げたか」
「どうやらそのようだね」
「さすがに天才と呼ばれていただけのことはあるか」
「エルク様、とか言っていたのにね」
「……もうその話はやめてくれ」
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「大丈夫か?」
「何とか。あなたが私を庇うなんてね?」
「急がないと時間がない。このままだときっとここは危険な場所になるだろう」
「さっきのは……」
「あれは間違いなくベアトリーチェの声だった。今はとにかくここから逃げよう」
「あの二人は……」
「今は無理だ。そちらの子も早く」
「ミアちゃん、お願い!しっかりして。爆発に巻き込まれるわ」
「はい……」
ビア、エルク、ミアの三人は時計塔から脱出した。
◇
「……一体どういうわけか説明をしてくれる?」
三人は時計塔を離れ、近くのカフェで一息ついていた。
ビア、ミアは隣同士でエルクと向かい合って話していた。
「予定ではこちらが勝って、彼女に協力してもらうつもりだった」
「ミアちゃんに?」
「ああ。ロルドから能力のことを聞いたんだ。生年月日さえわかれば居場所がわかると」
「そう……。でもそれをミアちゃんにするのは酷なことよ」
「なんでだい?」
「いや……。説明が面倒だからいいわ」
「ビア様、気を使わなくて大丈夫ですよ……。ようやく心が落ち着いてきました」
「そう?それは良かったけど、本当に大丈夫そう?」
「うーん……」
ミアはエルクをさっと見ると、恥ずかしそうに下を向いていた。
「まあ、そういうことなの。エルクならわかるでしょ?」
「まあなんとなくは……」
◇
「あの二人はどうしたのかしら?さすがに死んではいないでしょうけど……」
「残念だが、連れ去られたのが濃厚だろうな。大爆発の後に一度様子を見に戻っただろう?」
「そうだったわね……」
「その時にはもう二人の姿はなかった」
「ミスティックの覆面達……。そしてベアトリーチェに」
「おそらく」
「……ずっと探していたのに、何故今まで見つけられなかったの?」
「情報や噂はあったさ、でも完全じゃなかった。
でもわずかな希望ができた。……だから今回の計画を立てた」
「そう……。じゃあクロアをこの世界に呼んだのも、能力を譲ったのもすべて?」
「まあ、そういうことだ」
「ロルドのことは?」
「ロルドの言っていたことは間違ってはいなかった。
確かにベアトリーチェの居場所は分かったのだから」
「わかると約束を?」
「ああ、だが彼はミスティックの一員だったようだね」
◇
「……それでこれからどうするつもり?」
「勝負に負けたのは事実なのだから、素直にそちらの言うことを聞こうじゃないか。
約束は守る性分でね」
「そう。じゃあまずは……。
私の能力を返してくれる?奪ったのはエルクなのでしょう?」
「それは……残念だが私ではないよ。だから返す事は申し訳ないができない。
君が能力を無くしたんだとロルドから聞いたんだ」
「……本当に?」
「ああ、あの時は能力を返すと言ったじゃないか?
ロルドは能力を元に戻すことも可能だと言っていたんだ。だからあの時はああ言ったんだよ」
「……どうやらその顔を見るに、嘘はついていないようね?」
ビアはエルクの目をじっと見つめて言った。
「そりゃあ嘘をつくのは、昔から苦手だからな……。
ロルドの行方が分からない以上、この件は申し訳ないがご期待に添うことはできないよ」
「……あの」
ミアはもじもじしながら話した。
「……どうしたの?ミアちゃん。話せそう?」
「会話に途中から入ってごめんなさい。でも……」
「まずは挨拶からしようじゃないか。それが礼儀というものだよ」
「エルク様……」
二人は軽く挨拶を交わした。
◇
「……あの私、知っていたんです」
「今までの話?いやそれ以外のことも?……能力のお陰で知っていたのね?」
「はい……。でも運命は変わりました。でもその運命もわかっていました」
「クロアとシロンから炎が出てくる運命を?」
「……でも私はどうすることもできずに」
「それはどうしようもないでしょう」
「でも何か能力を使っていれば、運命は変わったかもしれません」
「それは今だから言えることよ」
「そうだね、あの状況でそれは難しいだろう。
君たちが時計塔に来た時点で運命は確定していたことだろう」
「そうですか……?ところであの仮面の人はやはり……」
「そのこともわかっているんでしょう?」
「声だけではわかりませんでしたが、名前を聞いて、そうかなと……」
◇
「……これからどうしようかしら」
「ミスティックは何か秘密を握っているらしいな。
黒の炎の能力を強制的に発動させるなんて。
このままではあの二人はいいように使われてしまうだろう」
「たしか前にもこんなことがあったわね」
「……おそらくその能力を利用し、
恨みのあるシークスフィア協会に攻撃を仕掛けるつもりなんだろう」
「見えない戦争です……」
「さすがに人殺しはしないだろうが……。
ミスティックは今のシークスフィア協会の体制に不満を持っている。
大元の大神官のところに、近いうちに殴り込みに行くに違いない」
「それで、エルクはどちらにつくの?」
「勝負に負けたのだから、素直に命令を聞くよ」
「じゃあもし命令がなければ?」
「……それはなかなか難しい質問をするね?どうだろうか」
「えへへ……」
ミアは笑顔のまま、じっとエルクを見つめていた。
「ミアちゃん……。今度はエルクをじっと見つめているパターンに入ったのね……」
◇
「ところでシロンからは白い炎が出ていたのだけど……」
「そうだな、あれは何だったのだろうか。それも調べる必要がありそうだ」
「……そうだわ。ミアちゃんの能力で二人を探したらいいんじゃない?
ミアちゃん、できる?」
「はい……たぶん。何とかやってみます……」
「必ず二人を見つけ出して、連れ戻すのよ。そしてできれば仮面の人物と……」
「えへへ……」
ミアは笑顔のまま、じっとエルクを見つめていた。
「えーっと……。ミアちゃん?大丈夫かな?」




