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世界は占いに支配されている  作者: 米 春幸
第七章 青い世界編
65/130

夢の共同生活

 何だか頭が痛い。


 何かが頭の中に浮かんでくる。これはいつかの……。


☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆



「なあに簡単なことだよ。私が用意した服を着て」


「はい」


「私が用意した家に住んで」


「はい……?」


「私が用意した食べ物を食べて」


「は……い……」


「私が用意したスケジュールで行動するんだよ」


「……わかりました」


「じゃあ今日から一緒に共同生活だね。一緒に頑張ろうね」



☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆


 なんだ今の光景は……。


「いてて、ここはどこだろう」


 クロアはベッドで寝ていた。


 お約束の天井か。どうやらまたやってしまったらしいな。

 少し頭痛がするが……。体は大丈夫そうだ。


 ……そうだ。あの時、カード勝負で負けて……。

 仮面の人が何かをやって、俺はまた……。


 クロアは周りを見渡した。


 それにしても綺麗な部屋だな。埃一つない。

 そして風水的に最高の家具配置。まさかこの部屋は……。


 近くでドアをノックする音が聞こえた。


 数回のノックの後、カチャッと音がして扉が開いた。


「あ、クロアようやく起きたの?おはよう」


「なんだ、青いお姉さんか」


「そうだよ、ついに私との夢の共同生活が始まるんだよ」


「えーっと……。悪い夢を見たようだな。

こういう時はもう一度寝て夢を改変するに限る」


 そう言うと、クロアはベットに逆戻りした。


「こら、現実を見て」


「はあ、夢は怖いな。実に怖い」


「ねえ、聞いてるの?」


「そうだな、どうせなら次はシロンさんあたりと一緒がいいな」


「ちょっと……」


「次はいい夢を見れますように」


「……これは現実だよ!」

 リンの大きな声が部屋中に響き渡った。


「うるさっ……」


「現実を見よう」


「……だっておかしいじゃないですか。目が覚めたらリンさんと同じ家に」


「おかしくないよ、本当に私との夢の共同生活が始まるんだよ。嬉しい?」


「やっぱりもう一度寝てみて……」


「こらーーー」



 それからクロアは体を起こし、リンに連れられ家の二階から下の階に降りた。

 クロアはリンと向かい合って椅子に座り話をしていた。


「……体は本当にもう大丈夫?」


「それよりも一体どういうことですか?なんとなくの状況は掴めましたが」


「じゃあ言ってみてよ」


「あのカード勝負の後、ミスティックがやってきて、俺に例の力を無理やり使わせた。

そして俺が気絶して倒れた。起きたら青いお姉さんがいた」


「うんうん」


「つまり……。これは夢だ」


「なんでそうなるの?」


「展開がおかしい」


「よーく、考えてね」


「はあ……。青いお姉さんはミスティックの一員だった」


「せいかいー」


「それで俺をどうするつもりですか?せっかく元の世界に戻れると思ったのにな」


「そんなに帰りたいの?」


「あ……」

 つい口が滑ってしまった。


「え……?」


「それも知ってるんですか?」


「そうだね」


「……ということは」


「ということは?」


「どうせ知ってたんでしょ?最初に会った時から……。

それで俺に近寄ってきたんですね?

……思い出したらもう何か嫌になってきたよ」


「まあまあ……」


「ますます人が信じられなくなりそう」


「大丈夫。心が傷ついても私が癒してあげるから」


「え?ほんとに?何でもしてくれるの?」


 バシッ……。


「……じゃあ俺はそろそろ帰らせてもらいますね」


「自分だけ良ければいいの?」


「自分だけ良ければ……?うっ、急に頭が」


 クロアはすかさず頭を抱えた。


「大丈夫……?」


「とにかく俺はみんなのところに戻ります」


「みんなって誰?」


 クロアは立ち上がり、部屋にある近くのドアを開けようとした。

 が、外から鍵がかかっていた。


「ドアが閉まってるじゃないですか?」


 というかこの扉はなんだ?内側と外側に鍵穴があるだと……?


「ミスティックのボスからのご命令でね、ここからは勝手に出れないよ」


「はあ……?え、まじ?」


「うん。そう言えばさ……。家に二人っきりだね……」


「あの、もうそういうのいいです」



「なぜ俺はこんなことをされなくてはいけないのか。

こっちに来てから人生がめちゃくちゃですよ。最近は運勢がとても良かったのに」


「そりゃあ力を持っているからだろうね」


「……大体どこまで知ってるんです?俺のこと」


「知りたい?」


「まあ知りたいかな……」


「おしえてあげないよーっだ」


「……少し痛い目に合わせてもいいですか?」


「こわーい」


「冗談ですよ」


「冗談でも駄目だよ?女性にそんなことを言っちゃ」


「ごめんなさい。ちょっと遊びが過ぎました」



「どうせここから出れないなら教えてくださいよ。リンさんが知っていることを」


「いいよ、話せる範囲のことなら」


「まず、この家は何ですか?」


「兄の家だよ」


「兄?」


「クロアも知っていると思うけど、あの青いローブの人だよ」


 青いローブ?まさか……。


「……つまりロルドさんはリンさんの兄だと?」


「そうなんだよ」


「はあ……。なるほどそういうことね。通りで……」


「どうりで?」


「なんだか雰囲気が似てるかなと」


「やだ、一緒にしないで?

青い服を着ている所以外はぜんぜん違うんだから」


「そうか……?」


「そうだよ」


「……ところでなんで俺に、一番最初に会った時声をかけたんですか?」


「それは……。まあ上からの命令かな……」


「そうですか……」



「……じゃあ俺を成長させるために?」


「そうだね。結果的にそうなったから良かったよ」


「結構な苦労をしましたけど」


「そうだね。でも今や神官になっているんだからすごいことだよね。

……それで、もう質問はないの?」


「大体今聞きたいことは聞けました。……でこれから俺はどうなるんですか?」


「とりあえず今日はね、一日私と一緒に行動するんだよ」


「まさか本当にこれから共同生活を?」


「……それで明日はね。ロルドもここに来るから一緒に話し合うんだよ」


「あの人も来るのか……」


「え?今なんて」


「いや」


「今なんか嬉しいことを言っていた気がするなあ」


 そういう意味じゃないんだが……。


「いや、何も言ってませんよ。

それよりも……。ずっーと気になっていたんですが。なかなか言えなかったことがあるんですよ」


「なに?」


「ここ、どこ?」


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