その10 ナンパとパンダと必殺技と
パンダ!
前回までの粗すじ
葉山がナンパされていた。以上!
・・・・さーーーーてどうしよう?葉山を助けることは決まっているが、問題はその方法だ。今葉山をナンパしているのは男3名。全員ピアスしてるし髪も染めている。1人は2メートルの長身。次はぽちゃり。そして最後はとんでもないほど筋肉がついている。やべーょ。怖いよ。
あ、でもピアスして髪を染めているからって不良なわけじゃないし。もしかしたら良い人かも!そう考えたものの、
・・・だめだ! 見た目から力強い偏見が生まれてしまう!こういうことから争いが始まるのか!
・・・俺はケンカは強くない。一応ここは異世界だが俺にはチートな能力はないし、この世界には魔法もない。
(どうしようなび?)
(うん、頑張れ)
丸投げかよ!仕方ない!
(俺やるぞーーーーー!)
(いけーーーーーーーーーーー!)
俺は無心で走る。
「葉山行くぞ!」
「ふぇ?!」
俺は勢いよく葉山の手を取って出口に向かう。しかし
「うーおいごらーーーー!」
「俺たちがナンパしてたんだぜーーー!」
「誰の許可を取ったんだよーーー!」
不良軍団に止められてしまった。不良達の1人が葉山の手をつかんでしまっていたのだ。
クソーーーー。どうすれば!
・・・・仕方ない!今こそ俺の中に眠る最強の必殺技を発動するとしよう!
(うん?お主そんな技を持っていたか?)
なびが不思議な反応をする。
(まあ、お前は知らないだろうな。見てろ!)
「あ!あんなところにパンダがいる!」
俺は大声で嘘をついた。
(アホくさ)
なびがものすごく冷めた声で俺をディスる。
しかし俺は自信満々だった。なぜなら、
「どこだパンダーーーー!」
「探せ!」
「写真撮るぞーーーー」
不良達3人はすっかりパンダに夢中だ。まあそうだろう。パンダかわいいもんね。
そして3人が俺たちから気おそらしたこの瞬間!
俺は葉山を連れて走る。
出口に出る瞬間お会計の金をレジに置き、見事、俺たちは脱出に成功したのだった。




