第十二章【黒髪の双子】
― 一週間後・・・
マキは独り、イタリアへ向かった。
父に会いに行くために。
そして、双子の姉ミキに会いに行くために。
マキ (久しぶりだなぁ・・・)
待ち合わせ場所には、すでに二人がいた。
ミキ 「マキ!!」
マキ 「ミキ・・・!」
マキより少し長めの黒髪が跳ねる。
その後ろから、微笑みながら父が歩いてきた。
マキのお父さん 「久しぶり、元気そうでよかった」
ミキ 「家に行きましょ、車に乗って」
マキ 「うん」
― 十分後・・・
マキは父の運転する黒い車に揺られて、家へと向かった。
ミキ 「本当に久しぶりだけど、変わらないね」
マキ 「そう?・・・でも、ミキも変わってない」
ミキ 「・・・向こうはどう?」
マキ 「んー・・・みんな元気だし、私もピアノ続けてて・・・ミキが思ってる通りかな?」
ミキ 「安心したわ・・・」
ミキはそっと微笑むと、窓から遠くを眺めた。
マキのお父さん 「着いたよ」
マキ 「・・・懐かしい!」
マキ達は車を降りた。
家の一階はバイオリンやビオラを作る工房になっていて、窓ガラスから中の様子が見える。
小さいけれど、温かみのある家だ。
ミキ 「さ、あがって。何か食べる?」
マキ 「ありがとう。・・・とりあえず、コーヒーをもらおうかな?」
ミキ 「分かったわ」
マキのお父さん 「落ち着いたら、街を案内しつつご飯でも食べて来たら?」
ミキ 「いいわね!そうしましょう」
マキ 「うん」
マキのお父さん 「マキ、近況を報告してくれ」
マキ 「うん。最近は・・・」
― 三十分後・・・
マキのお父さん 「そうか・・・高校も楽しんでいるみたいで良かった」
マキ 「うん。もうすぐコーラスコンクールもあるし」
ミキ 「それは楽しみね」
マキのお父さん 「マキ、イタリアも楽しんでいってくれよ」
マキ 「ありがとう」
ミキ 「じゃ、そろそろ出かけましょうか」
マキ 「うん」
― 十分後・・・
マキ 「わぁ・・・やっぱり日本とは全然違うな、街並み」
ミキ 「そうでしょう?・・・あ、ここのお店にしましょ、美味しいから」
マキ 「うん」
二人はレストランに入った。
― 十五分後・・・
マキ 「ん、パスタもピザも美味しい」
ミキ 「でしょ?よかった~」
マキ 「ミキの近況も聞かせてよ」
ミキ 「私か~・・・そうだなぁ、もうすっかりこっちの生活に慣れちゃった感じかな」
マキ 「今後やりたいこととかあるの?」
ミキ 「どうしよう・・・でも、しばらくはこのままかな?日本に帰りたくなることもあるけど、色んなことが学べるから。それに、お父さんもいるし」
マキ 「そっか」
ミキ 「・・・でも、気持ち的にはいつもマキの隣にいるつもりだから」
マキ 「私もだよ」
―双子の姉妹は、今までの事だけでなく、未来も語り合った。そして二人だけの秘密の話も。




