(27)
家に帰る予定だったが、両陛下に是非お城に泊まっていって欲しいと言われ、泊まる事となった。
「母が心配すると思うので、手紙をお願いしたいのですが…」
「ソフィアには、もう泊まらせるからって連絡したわ」
王妃様は、承諾の返事も届いてるわっとニコニコと笑って、食事の時に会いましょうねと部屋を出ていった。
「いつの間に、連絡してたのでしょう?」
「義姉上はおっとりしてるようで、仕事が早いですから」
部屋に案内しましょうと、部屋を出る。
先程は余裕が無くて気付かなかったが、レイティアの耳にイヤリングがあるのを見付ける。
「そのイヤリングはどうしたのですか?」
ザガートの贈り物でしょう。面白く無さそうに聞いた。
「お城に来る前に、ザガート様からもらったんです」
やはりと思うと、レイティアが髪を触りながら慌て始めた。
「無い!?髪飾りが無くなってる!」
「髪飾り?どんなですか?」
「ウィル様に買って貰った、青に髪飾りです」
いつから無いのだろうと、青くなりながら考えている。
「私の部屋かも知れませんね。行って見ましょう」
急いでウィルの部屋に戻り探すが、見付からない。
「ない…。イヤリングを貰った時は、有ったのに…」
悲しそうな顔をして、落ち込み始めた。
「ウィル様に買って貰ったのに…」
ごめんなさいと謝る。
「そんなに落ち込まないで下さい。また、買って上げますから」
そう言うと、小さな声でアレじゃないと意味が無いと泣き始めた。
「女性として初めて貰ったのに…」
物心がついた頃から、男として育てられて、女になるのは行儀作法の時だけのレイティアにとって初めてのプレゼントだったのだ。
理由あるにせよ、自分があげた物が無くなったと、悲しむレイティアを無性に抱き締めたくなるが我慢した。
「レイティア、明日街を探して見ましょう?」
頭を撫でながら言うと、コクりと頷く。
「そうだ。レイティアこれを着けて下さい。貴女の体は呪いを受けやすくなってると思うので」
レイティアの首にネックレスを着ける。中央に水晶が1つ付いているが、黒と白の水晶だった。
「光魔法と闇魔法の水晶です。隊長にも着けて貰いたいので、シンプルにしてます」
「ありがとうございます」
その後に食事会となったのだが、少し落ち込んだレイティアを見て、ウィリアムに何かされたの?と王妃様に心配されてしまった。
髪飾りを無くしたと説明して、明日探しに行くことを告げると、陛下はウィルに何やら耳打ちし頑張れとウィルの背中を叩いた。
泊まる為に、レイティアに用意された部屋はピンクを基調とした可愛らしい部屋だった。
「かわいい部屋ですね。泊まって大丈夫なんですか?」
「貴女の為に、義姉上が用意したのですから、泊まって下さい」
おやすみなさい、と部屋を出て行ったので、用意された夜着に着替える。
イヤリングは無くさないようにハンカチで包み、テーブルに置く。
「2人に愛してるって言われても、どうしたら良いのでしょう…」
少なくとも、あと2年はレナードとしていなければならない。
待ってると言われても、恋愛をした事が無い自分は、どちらを選べば良いかなど分からない。
答えの出ない問題をグルグル考えているうちに睡魔に襲われ、いつの間にか寝てしまっていた。
朝食は、一緒に食べましょうと言われていたので準備を済ませ、廊下を歩いているとウィルに会った。
「おはようございます。ん?レイティアあまり寝れませんでしたか?」
「いえ、そんな事はありません」
目の下にクマが出来てますと言われる。
「呪いや髪飾りが気になりましたか?」
「いいえ、大丈夫です」
そう答えても、ウィルはじっとレイティアの顔を見ている。
「もしかして、兄上達や私が言った事ですか?」
返事をする前に、ウィルがため息をつく。
「私は待つつもりです。それで貴女が誰を選ぶかは貴女に任せます。私を選んでくれれば嬉しいです」
だから、今は悩まないで下さいと笑う。
「それでですが、ウィル様では無く、ウィルと呼んでくれませんか?」
「えっ?でも…」
呼んで下さいと再度言うので、呼んでみると嬉しそうに笑い始めた。
「ふふふっ。隊長に呼ばれるのと、また違う感じで良いですね」
スキップでも始めそうな雰囲気で、歩き始めた。
朝食を食べおわり、街に髪飾りを探しに行きつつ、ウィルとデートする事になった。
まずは、髪飾りを探しましょうとなったので、ウィルと待ち合わせた場所に行ってみたが見つけると事は出来なかった。
「やっぱり無いですね。近くの人達に聞いてきましたが、見た人はいませんでした」
「そうですか…。残念ですが諦めます」
これだけ探しても見付からないのだから諦めるしかない。
「また私に髪飾りを買わせて頂けませんか?」
「そんなの、ウィルに悪いので良いです」
断ると、悪くないから買わせて欲しいと言われ、お店に連れていかれた。
「こんな高い物は受け取れません!」
「レイティアに買った物なので、貴女に受け取って貰えないと捨てる事になります」
それだと勿体無いでしょう?と言われると、断ること出来ずに受け取る事になった。
「ウィル、ありがとうございます」
着けてあげます。とウィルが髪に着けてくれ、デートとなった。




