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信参がニギルの部下に殴られそうになったその時、通路にいた女が壁を破って現れた。危ないところを、見知らぬ女性に救われたというわけだ。
「警備のやつらは何をしていた?それに何も知らないやつが船内を歩いたところでどの部屋にも辿り着けないんだ!そういう風に魔法を仕掛けてあるんだぞ!」
「エチケットとしてまずは名乗らせてもらおうか。あたしは東京都立樹羅総合高等学校教員兼見湖市立花天魔法高等学校魔法道具研究部顧問!樹夏霧樹夏霧牛蒡の仕草れ海猫陸魚の善行末苦行末悪行末|女の中は出すところチンチンブラブラブラコウジパイパイボインボインのシューリンガンシャコーナイハッシャのホンバンダイホンバンチュウのパンパンパンのアンアンアンの超助兵衛と超助平…はぁ…はぁ…だぁ!樹夏霧でよろしく!」
恐ろしい女が来たものである。
「久しぶりだな清瀬。なんだ~?また厄介ごとに首突っ込んだのか?」
「ご無沙汰してます。早速ですけど助けてもらえませんか?」
「はいよ。んねえお兄さん。その子達、こっちに渡してもらえないかな?」
「…警備の目を掻い潜って来たわけじゃなさそうだな」
「お友達なら全員寝てるよ…余計な騒ぎを起こしたウチの部員も悪いけどさ、子ども相手に容赦なくない?」
「相手が誰だろうと容赦しないのがこの世界での掟だ。だけどそっちが言う事も一理ある。今日は見逃してあげよう」
この女には勝てない。そう悟ったニギルは取引という形で我が身の安全を取った。
「それじゃあ帰るよ。ほらあんたも、そんなだらしない恰好してないで立って」
「あ…はい…」
信参は自分達の顧問を名乗った女の手を借りて立ち上がった。
「その指輪…清瀬ぇ!もしかしてこの子って──」
「先生!もう一つお願いがあって、そこに入ってる子を連れて帰りたいんですけどいいですか?!」
優は女の言葉を遮るように大きな声で、筒の中に入った利子を指した。
「…てわけで、その子も貰っていい?」
「少し優しくしてやっただけで調子に乗るんじゃないぞ。それは私の商品だ」
「それ以前にその子の制服、花天の生徒だよね?何、インターン中?返して欲しいんだけど」
「なら退学の手続きをしておいてくれ」
「教員として面倒事に巻き込まれてる生徒は放っておけないんだよなぁ」
女は利子の入った筒へ近付き、素手で叩き割る。流れ出る液体を浴びながら彼女を抱え上げた。
「先生、その子はもう…」
「あぁ、連れて帰ろう。おいお前、仲間に伝えておけ。日本はお前らの市場じゃないし、子ども達は商売道具じゃない。準備が出来たらジャガーノートは根絶やしにしてやる」
ニギルは突如現れて船内を滅茶苦茶にしていった女と信参達を見逃した。強気な態度こそ見せたが、自分では敵わないと分かっていたのだ。
「衰退国民のくせに生意気な…」
好き勝手された挙句に警告を受けた。それはニギルにとって屈辱的な事であった。




