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結’

 ドン!


「ブラボー小隊配置に付きました。」


 ドン!ドン!


「チャーリー小隊も配置に付きました。」


 ドン!ドン!ドン!


「デルタ小隊も配置完了です。」


 連絡用の陣太鼓が鳴り響きます。


 私達はアルファ小隊とともに東方王国のダンスパーティー会場前にいます。昨夜の件はその後様子を見に来た東方王国の方々を捕まえて事情を把握しました。どうやら王弟を中心にして王国の貴族令嬢を拉致監禁し優位な婚約を結ばせ王国の乗っ取りまたは最低でもある程度の権益確保を目指した謀略だったようです。


 今日のダンスパーティーで周辺国の外交官にお披露目し既成事実にする。失敗しても王弟をトカゲの尻尾にして逃げ切る気だったようです。私達も随分となめられたものですわ。あれだけのことをやられてそれで済ませる気も毛頭ありませんので、蹴球部の皆さんで会場の四方を固め、これからモブ子さんと会長ちゃんと私の3名、そして護衛件秘書官として3名と剣聖、剣姫で会場に突入する予定です。小隊は各11名ですが一騎当千ですので憲兵(男)などは相手になりませんので万全の構えです。会場には諸外国の外交官に国王を始めとする王族、それに我々の『婚約者候補』の広域族のご子息たちが集まっているとのことです。


「アルファ小隊はここで待機、外からの侵入を阻止し、会場から逃げ出すものは『処分』して良い。では突入です!」


 実戦指揮と全軍の先駆けは私がやります。これまでの件でさんざん鬱憤も溜まっていますからね。ここで晴らしておかないと。


 グシャ!グシャ!


 声もなく門番が崩れ落ちます。さあどんどん行きますよ。


「止まれ!何者か?」


 グシャ!ゴシャ!


 一人を前蹴りで、もう一人の会場警備の騎士を膝蹴りで沈めます。


 今日はパーティーですから無粋な格好もできませんのでドレス姿に脚甲という出で立ちです。愛用の脚甲があれば前垂れやファウルカップなど物の数ではありませんからね。そんな感じでどんどんと進みます。


 バー――――――――――ン!


 ついにダンスホールに到達です。


「モブ子さんは正面入口を!護衛二人はそれぞれ左右の入り口を抑えてください!」


 入り口は全部で三箇所。一人たりとも逃さぬように最初に出入り口を抑えます。貴族がやるとは思えませんが窓から逃れようとしても敷地は各チームが抑えているので逃げ場はありません。


「皆様ごきげんよう。本日はとても良い夜で素晴らしいハロウィン日和ですわね。」


「何奴だ!」


 豪華な衣装をまとった男が誰何します。


「貴様らに名乗る名前はない!」


「○ム兄さん・・・・。」


「ごめんやり直し。地上にハゲがみつるとも、乙女心があるならば熱き脚甲玉潰す!人それを真実の愛という!」


「お姉さま。それは妹キャラですぅ。」


 モブ子さんからツッコミが入りました。一応今日のメンツの中では最年少なのですからいいじゃないですか。私だってたまにはずるいずるいと妹キャラをやりたい気分の時もあるんです。


「なんだと!貴様など兄でもなければ妹でもない!」


 そりゃ当然ですよ。こんな変態は兄弟にほしくありませんから。


「あなた方の王国への謀略は潰えました。この施設は現在我々の支配下にあります。おとなしく降伏しなさい。」


「貴様らは公女とその一行か!飛んで火に入る夏の虫とはまさにこの事。」


「いえいえ今はハロウィンですので秋というより冬の始まりですよ。」


「ええい黙れ黙れ!出会え出会え!東方王国のパーティーを邪魔する不届き者である。国王命令である!者共小奴らを捕らえよ!」


 そう言うと各貴族の護衛たちと武闘派と思われる貴族が前に出ます。なるほどあれが国王だったのですね。とは言えここは女の戦場ではありますが男どもの戦場でもありませんし武装は最小限ですから物の数ではありません。


「皆さん遠慮はいりません。これまでの件をのしをつけて返して差し上げなさい。」


 そう言って指示を飛ばします。今回は会長ちゃんは初陣です。きちんとフォローを入れながら文字通り蹴散らします。回し蹴りや前蹴り後ろ蹴りや膝蹴りなんかも含めて大盤振る舞いです。会長ちゃんの方を見るとあれは天○脚ですね。


 グシャ!ゴシャ!ドシャ!


 相手の股間に向けて天をつくような三連撃。確実に潰れましたね。


 今日もきれいに玉の潰れる音が響きます。あ~きの夜長に鳴り響くってきたものです。


 ダンスパーティーですから女性もいますしいいところを見せようなどとイキった殿方もおりましたがもれなく玉を喪失してうずくまります。剣聖や剣姫のところに向かった連中はそのまま切り捨てられていますからどちらが良いのかはわかりませんけどね。あらかた向かって来るのがいなくなったところで降伏勧告をしましょうか。


「降伏したものには捕虜としての待遇を約束します。命のいらないものはそのままで。それ以外は武装放棄をおすすめしますわ。」


 グシャ!グリグリ!ゴシャ!


 とりあえず将軍だか騎士団長だかといった身なりの男を念入りに踏み潰したところで投降を呼びかけます。


 ガシャガシャ!


 皆剣を捨てたようです。


「よろしい。では戦後処理です。王族関連は会長におまかせしますわ。貴族はそこに並ぶように。」


 そう言って国王は会長と秘書一名に、こちらは左右の出入り口を剣聖、剣姫と交代し私と秘書二名で対応します。では早速質問です。


「ゴールドorボール?」


「え?ゴールド?」


 私の質問に下級貴族の青年が答えます。


 グシャ!


「ぎゃああああああああああああああああ!」


 潰された青年が悲鳴をあげます。時間がないからテキパキと。


「ゴールドorボール?」


「ボッボール!」


 グシャ!


「ぎゃあああああああああああああああああああ!」


 次に現れた中年も悲鳴をあげます。


「なっ!あれはなんだ。我々は降伏したはずだ。なぜ拷問を受けているのだ?」


 会長ちゃんと交渉中だった東方王国王が思わず立ち上がります。


「トリック・オア・トリートってあるじゃろ。」


「ハロウィンのあれであろう。当然知っているがそれがこれとどういう関わりがあるというのだ?」


「『お菓子をくれなきゃいたずらしちゃうぞ!』という意味じゃがお姉さまのは『金を出さなきゃ潰しちゃうぞ♡』くらいの意味じゃ。」



「ゴールドorボール?」


「ゴールド!」


 グシャ!


「ぎゃあああああああああああああああああああ!」



「ならば我々はなんと答えればいいのだ。ゴールドでもボールでも潰されておるではないか!我々のゴールデンボールを何だと思っているのだ!」


「簡単なことじゃ。ハロウィンも実際にお菓子を渡すじゃろう。1万年前から続く当たり前の流行歌もとい人質解放の手順。姓名と身分を明かし身代金の額を伝える。それが妥当であるなら証文を書き家のものに身代金を払うよう伝える。それで初めて生命を保証された人質生活の始まりじゃ。」


 それを聞いた貴族の列からは。


「私は東方王国第一公爵だ。身代金は1億ダブドルと○☓鉱山とその周辺の領地を引き渡す。」


 これは大きく出ましたね。これなら平和裏に勧めたほうがいいでしょう。秘書役の部員に証文を作らせると、脇に座らせます。


「ゴールドorボール?」


「儂は☓☓侯爵だ。一千万ダブドル!」


 グシャ!


 なめてますね。自分のたまに付ける値段がそれだけとは・・・。価値のないタマタマは滅殺です。


「「「ひいいいいいいいいいいいいいいい!」」」


 それからは割とスムーズでした。最終的には平均して貴族連中の5年分の歳入と領地の半分程度を接収する形で話がまとまりました。


 東方王家の方は王家直轄領の半分を差し出し、飛び地が増えても面倒なので貴族領を領地替えする形で王国側の半分を貰い受けることになりました。それに合わせて私の領地も倍になり大公国として独立する形になりました。前回いただいた領地を王国にお返しし、先祖伝来の領地と金山を含む東方王国からの割譲地を合わせる形で独立します。モブ子さんのところも似たような形です。領地は5割増しですが、王国の筆頭公爵です。これはモブ子さん自身が後を継ぐかが流動的な上に両家が独立してしまうと王国の勢力が弱体化してしまうためです。両家から返還した王国領は会長ちゃんと蹴球部の皆で分け合う形となります。


 東方王国は結局領地が半減、多額の賠償金を課せられた結果、憤死しかけた国王が助走をつけて殴りかかる羽目になり折角のタマタマを蹴り潰されることになったため、王女に譲位することになりました。王子連中は半分潰れていた上これ以上手を出すと滅亡待ったなしでしたからね。潰される心配もなく冷静な話し合いをとのことでそうなりました。東方王国は最終的には独立は保てましたが従属国になることになりました。そこまでは良いのですが私が興す大公国を姉とした姉妹国になるといい出し、これに会長が乗っ取り王国も妹国にモブ子さんが妹領になるという摩訶不思議な国際関係になりました。私の国が一番歴史が浅いのに解せませぬ。


 そんなこんなで蹴球部の遠征は多くの実りをもたらしました。なんなら部員の中には適当なイケメンをお持ち帰りして婿にすると言っているものもいます。貞操を守るために設立したはずが随分たくましくなったものですわ。


 今回の実りはそれとして学園生活もまだ1年以上残っております。私自身もさらなる研鑽に励まなければなりませんね。将来的には大公国国内に学園を設立する予定ですが卒業までには間に合いませんし、お友達もおりますので私自身はきちんと卒業するつもりでおりますの。


「ゴールドorボール」


 玉は金なりと申します。男女交際は清く正しく誠実にですわ。世の殿方もパンツ泥棒などをしてはなりませんよ。


 それでは皆様またどこかでお会いすることがございましたらよろしくお願いいたしますね。


 さよなら。さよなら。さよなら。






 余談ではあるがこの事件は「玉砕のハロウィン」と呼ばれ蹴球が世界最大の球技と認められる原因となった。また庶民の間では未婚かつ婚約者なしの男性に向かって結婚適齢期以下の年齢の未婚の娘がハロウィンの日に『ゴールドorボール』と言いながら押しかけるイベントは流行するようになる。世の男性諸氏は小遣いをせびられることになり泣きを見ることになるが、金の指輪を差し出すことで逆にプロポーズを行う者も散見された。婚約指輪を売り払うというのはさすがンビ世間様が許さず、これにより気になる男性のところに押し寄せる女性という構図になり、そのことがその後カップル成立が多発することになった。結果的にこれが逆告白イベントとしての側面も持つようになる。


 こうした事もあって女大公は『みんなのお姉さま』『健全交際のキューピッド』『貞操の守護者』『金の申し子』と呼ばれ長く慕わた。領内は象徴であるゴールドマウンテンを抱え善政を敷いたこともあり歴史に残る英雄として幸せに暮らしましたとさ。





 婚約破棄される予定の武闘派令嬢は断罪の運命を回避し30秒でざまぁするおまけ話~ゴールドorボール!玉・残っていますか?」~おしまい

こんな玉潰しの暇つぶしにお付き合いいただいた方は誠にありがとうございました。結局本編より長いおまけに。まるで食玩のようですん。その昔ボトムズの食玩はガム一枚にプラモとかだった記憶が・・・。どっちが本体かわからないw


タイミングの問題もありましたが結構な難産でした。逆にこれを書かないと新作に集中できないということもありプレッシャーでした^^;メガバズーカランチャーも外しそうですね。


とりあえずこれで気兼ねなく新作に向かえます。


それでは皆さんまたどこかでお会いしましょうノシ

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