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参拾の1 連絡したい事項があれば

 株式会社三和(本社・東京都町田市)が運営するスーパー三和奈良北店(横浜市青葉区)従業員、穂積(ほづみ)恵美(一九七〇-)の「お(たわむ)れ」から一年たった記念日(アニバーサリー)の「節分」である二〇二四(令和六)年二月三日、おれの身にはなにも起きず、なにごとにも巻き込まれなかった。

 ところが、一週間後の同十日、こんな文面の、日本郵便テンプレートによる内容証明郵便を受け取った。


《 令和6年2月9日

[被通知人]

神奈川県横浜市青葉区奈良町2913

奈良北団地2号棟805号室

森 史×殿

 [通知人]

  東京都中央区銀座5丁目8番5号

  ニューギンザビル10号館4階

  高下謹壱法律事務所

  電 話03-5568-6655

  FAX03-5568―6656

  独立行政法人都市再生機構

  東日本賃貸住宅本部

  上記代理人弁護士 高下謹壱

  同        植田 浩

 (第一東京弁護士会所属)

  通告書

 前略。当職らは、標記通知人の代理人として、貴殿に対し、以下の通り、通告する。

 通知人は貴殿に対し、標記住所地の団地(以下「本件団地」という。)内住戸につき賃貸しているところ、貴殿は、令和5年6月5日、本件団地の管理サービス事務所を訪れ、設備の不具合に関する苦情を申し出た際、机をたたく、大声を上げる、備品を蹴るなどして管理サービスセンター職員が所轄警察署に通報せざるを得ない事案を発生させ、翌日午後3時頃、本件団地の管理を委託する日本総合住生活株式会社(以下「JS」という。)代表取締役社長の自宅に押し掛け、「社長を出せ」などと威迫し、同日、JS社員や通知人社員が対応せざるを得ない状況となり、通知人及びJSの業務を妨害する事案を発生させ、その後も、令和5年6月から同年9月にかけて、本件団地を管理する株式会社URコミュニティ神奈川西住まいセンター及びJSに対し、「正規の手続きを敢行するように」「接近禁止は現在も続いているのか」など趣旨不明な文書を何度も送付し、通知人及び受託会社の業務を妨害し、令和6年に入っても、貴殿はJS代表取締役社長の自宅に「従前より未解決の問題は、必ず決着をつけます。つけていただきます。」と記載した年賀はがきを送付するに至っている。

 貴殿が通知人及び団地管理業務受託者(以下「通知人等」という。)に送付した上記各文書の趣旨はいずれも趣旨不明であり、通知人等は貴殿の意図、目的を理解しかねる状況であって、かかる趣旨不明な文書送付によって通知人等の業務に支障が生ずる事態に至っている。

 そこで、通知人は貴殿に対し、今後、通知人等の各社窓口、各社の役職員等の自宅に文書送付及び訪問を一切しないよう通知する。

 本通告書にもかかわらず、貴殿が今後も通知人等の各社窓口、各社の役職員等の自宅に文書送付又は訪問をした場合は、貴殿の所為は業務妨害罪(刑法233条)に該当し得る行為と思料し、直ちに所轄警察署に通報するなど厳正な措置を講ずるものとする。

 なお、通知人等はことさら貴殿に対する回答は無用と思料するが、貴殿が通知人等に対し、何らか連絡したい事項があるのであれば、当職らに対し、文書にて連絡されたい。

 また、本通知書は配達証明付き内容証明郵便で送付すると同時に投函の事実が確認できる「レターパックライト」で送付したことを付言する。

 以上、通告する。

  草々》


 年が明け「松の内」を過ぎ、横浜市青葉区あざみ野の伊藤治(いとうおさむ)JS社長宅に、余った年賀はがきを使って「様子見」したことへの反応であることは、文面からも明らかだ。

 この文面から、いくつかのことが読み取れる。

 まず、一連の事実関係がことごとくでたらめなのは、問題の根幹をすり替えるために、頭の悪い司法、捜査関係者がよく使う手段だ。彼らは、例えば文書を宛てた相手(今回の場合、おれ)を、自分たちと同じように、あるいは驚くべきことに、自分たちよりさらに頭が悪いと誤認している。そのこと自体が、彼らの頭の悪さの証左だ。

 また、文面中《管理サービス事務所》《管理サービスセンター》二通りの事業所名らしき語は、いずれも「管理サービス事務所」のことを指すと考えられる。

 横浜市中区に立地するUR都市機構本社従業員と電話で、あるいは、URコミュニティ神奈川西住まいセンター課長職、神田裕治(かんだゆうじ)と対面で話した際、おれも「管理サービス事務所」のことを「管理サービスセンター」と誤って口走ってしまったことがある。彼らは異口同音で、おれをこう糾弾した。


 ーーセンターと言ったら住まいセンターのことを指す。混同するような表現はやめろーー


 おれの《所為は業務妨害罪(刑法233条)に該当し得る》というのは、スーパー三和奈良北店の件の「威力業務妨害(刑法二三四条)」ではない。二三三条とご丁寧に書いているということは、接見の国選弁護人弁護士が、別件や余罪で挙げられるとしたらこっちだと言っていた、「偽計業務妨害」のことだ。

 最後に《付言》している《レターパックライト》は、正体不明の内容証明郵便を受け取ることを拒否した場合の、リスクヘッジだ。

 熊本県八代市の私立・秀岳館高校や、神奈川県庁の知事宛てに脅迫状や刃物を送り付け横浜地方裁判所(ちさい)で執行猶予付き有罪判決が確定したコールセンター勤務の四十代男が、先方に確実に届くよう「レターパックプラス」を使ったのと異なり、《通知人》は、郵便受け投函の《レターパックライト》を使用することで、おれが受け取り拒否できないよう、そんな郵便は知らないなどとしらばっくれぬよう、「脅し」をかけたつもりなのだ。

 こういう「リスクヘッジ」は、おれ自身もよく使う。しかし、《付言》の内容は、頭の悪い《通知人》がおれのことを、彼らと同じように、あるいは嘆くべきことに、彼らよりさらに頭が悪いと認識しているとしか捉えようにない書きぶり。こんな失礼なことを、誰に対してもおれはしない。


《文書の趣旨はいずれも趣旨不明》と「趣旨」が重複するなど、日本語文書作成能力が著しく低い。低いことを装っているのかもしれない。彼らより頭が悪いはずのおれを、どの程度、頭が悪いのか、試しているのかもしれない。


 神田裕治がいうところのおれのお友だち(オトモダチ)情報によれば神奈川県警青葉署の公安専務員たる署長が、三月中旬から下旬に定期異動で転出する。そこまでに、二回の逮捕(うち一回は再逮捕)、二回の起訴(うち一回は追起訴)のスケジュールはぎりぎり。

 起訴は送検した先の検察が行う。事件の種類にもよるが、それまでは、「検察の手先」である警察が引き続き取り調べを行う。伊藤治社長宅周辺住民への強要(刑法二二三条)容疑などでっち上げで二件挙げるのを青葉署があきらめ、やはりでっち上げのおれには予想もつかない事案かもしれないなにか一件だけなら、十分過ぎるほどの日にちが、転出署長には残されている。


 おれは、UR都市機構の代理人だとする「怪文書」差し出し人に宛て、こんな格調高い礼を尽くした銘文を、郵便とファクシミリで送信した。

 郵便の方の文面は、こうだ。


《 二〇二四(令和六)年二月十日

高下謹壱法律事務所

弁護士 高下謹壱様

弁護士 植田 浩様

  〒二二七-〇〇三六

  横浜市青葉区奈良町二九一三

  奈良北団地二号棟八〇五号室

  森史×

  携帯電話 〇九〇-××××-××××

  ファクシミリ 〇四五-九六一-二〇七七

  電子メール ××××@××××


冠省 貴職ら発二〇二四(令和六)年二月九日付け当方宛て《通告書》を、郵便(受付通番G〇〇九一七六二一〇〇〇一〇〇〇〇〇一号、問い合わせ番号一三三-八七―三六四二四-四)で拝受しました。

 同《通告書》で貴職らが主張する、当方のものとされる一連の言動には、甚だしく悪質な事実誤認が顕著に見られることは、貴職らご案内の通りです。

 また、もし《通知人等の各社窓口(略)に文書送付及び訪問を一切しない》と、例えば二〇二三(令和五)年十月のように、《通知人等》公式サイトの問い合わせフォームを通じ「簡易模様替え等届」手続きを再三にわたり求め、督促を繰り返したのに、《趣旨不明》なのか、長期にわたり無視ないし放置される事態を招くことも、ご案内の通りです。

 さらに、《理解しかねる状況》という当方の《意図、目的》は、二〇二三(令和五)年六月ごろを中心に、複数回かつ長期にわたり《通知人等》にお知らせしていることもはやり、貴職らご案内の通りです。

 本状と同趣旨の文書を、ファクシミリ送信します。ファクシミリでは誤送・外部漏洩の可能性を危惧し、貴職らの肩書等を省きました。上述「簡易模様替え等届」関連書類の一部コピーを添付します。  草々》


 並行して送信したファクシミリ文書では、誤送・外部漏洩の可能性を危惧し、法律事務所名や弁護士の肩書きを省いたところが、まさに格調高い。


(「参拾の2 コロナをバブルと言わせない」に続く)

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