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Dominions  作者: 赤秋の寒天男
【第一章】煙炎漲 編
1/8

【一話】点火

はじめまして、そうでない方はお久しぶりです

寒天男です

超能力者がたくさん出てくる作品となっております

ヒロインは二話から出ると思います!


ここ間違ってるよとか、これ気になるとかあったらお気軽にコメントお願いします!

 ある日、空から隕石が降ってきて、人々は巨大な人工島に移り住んだ。

 希望のない明日。減少していく人口。

 人類は絶滅してしまう……かと思われた。


 しかし窮地に陥った人類は「隕石の中にいた微生物」を取り込んだ。


 ある日、人々は光輪と両翼を獲得して、超人こと「ドミニオンズ」に生まれ変わった。

 燃えたぎる身体。発現する能力。

 人類は絶滅してしまう……それは過去の流言となった。




 人類が人工島に逃げ込んでから数十年。

 ある男がヘリコプター内で無線を受信した。

『──ガブリエル、聞こえるか。市民から通報を受けた。ドミニオンズが二人も出たぞ』

「本当? 喧嘩してる感じ?」

『あぁ、ただ争っている理由は不明だ。片方は子供だとよ』

「子供のドミニオンズって……政府に申請とかしてるの? 名簿に記載は?」

『分かるだろ。ソイツは自分がドミニオンズだってことを隠してやがった。争いが無事に終わったとしても、あとで逮捕されて政府の奴らに尋問されるだろう』

 かつて隕石と共に飛来した地球外生命体がいた。

 それに体を冒された人間は、ひどく悶え苦しんで死ぬという。

 しかし超低確率で生き延びるケースも確認されている。類まれな生命力で運命を切り拓いた人間には『超常的な能力』が宿るそうだ。

 まさにそれがドミニオンズと呼ばれる者たちである。

 このガブリエルという剽軽な男もその内の一人であり、今は世界政府の最も信頼できる矛として世界中で活躍している。

「どこに政府の目があるかも分からないこのご時世に、まだ法律逃れのドミニオンズがいたなんて感激だよ。どうやって感染を隠してたんだろう」

『おいおい、またスカウトするつもりじゃないだろうな?』

「釘刺さすの? 争いをちょちょいっと片付けて、そのついでに新たな仲間をゲットするだけだって。チョー名案でしょ」

『はぁ……こちらから上に伝えておく。好きに暴れてこい』

 通信機の向こうで、心底面倒くさそうなため息がひとつ吐き出された。このオペレーターはいつもガブリエルに振り回されてばかりいる。

 あぁ、彼は確かに強い。強いのだが、いかんせん予測不可能な行動を取る時がある。それでも世界政府に信頼されているのは、ひとえに真面目で明るい性格で、他の追随を許さないほどに強いからだろう。

 憎いくらいに好かれている。

「あははっ、そう言ってくれるって信じてた。お、ちょうど現場に着いたから通信切るね。引き続きお仕事がんばって。お疲れさん。今度おごるよ」

『へいへい』

 ガブリエルはそう言うと、高度400mのヘリコプターから飛び降り、生身で現場へ降下していった。彼にとっては暴れ狂うドミニオンズを制圧することなど朝飯前だ。

 時刻は正午。冬の寒さが少しだけ残った、いつもと変わりない昼の出来事だった。




 その二十分ほど前。

 ひとりの少年があくびをこらえながらエルピス島のクラニア港で仕事に励んでいた。

 とある客船の乗組員として。

「足を踏み外さないよう、気を付けて降りてください。ふあぁぁ……アナスタシス島からの長旅ご苦労様でしたー……」

「ちょっとそこの船乗りさん」

「……オレですか? マダム、何のご用で?」

「息子の船酔いが酷くって、エチケット袋か何か用意してくださらない?」

「マジっすか。今持ってくるんで息子さんのそばにいてあげてください。一分で戻ってくるんで」

 名前はバク。ごく普通の少年だ。

 髪色は黒。背丈は平均よりやや高い。人あたりが良いので仲間からは慕われているが、なぜか深い付き合いは好まない。

 経歴は不明。

 昨年の中頃、どこからかフラリと現れて港でホームレスをしていた。しかし生活が回らなくなったのかクシャクシャな履歴書を会社に持ち込み、現在の職場に滑り込んだ。

 文字は書けない。常識もない。

 だが仕事はなんだかんだ上手くいっている。

 船に乗って客を見ておく仕事だ。飛行機やヘリコプターなんかは政府関係者やお偉いさんばかりを好んで乗せていくものだから、島と島を繋ぐ足はもっぱら船舶。

 人口不足で何もかも足りていないこの時代では船が重要なのだ。

「ゲロ入れる袋どこかな……ってまだお客さんがまだ残ってたのか。ぐっすり寝ちまってるよ」

 バクは仕事の一環で、座席が三十個ほど敷き詰められた大客室の方まで戻っていた。そこの網かけ棚にエチケット袋が入っていたはずだ。

 今は停泊中なので揺れが少なく、まるで地面に立っているようだったが、まだ船の上。

 居眠り客がいたら追い出してやらないといけない。

「起きて、お客さん」

「……」

「おーい、お客さーん。もう着いたぞー」

 帽子を顔にかぶせた男がぐっすりと眠っている。

 服装も装飾も上等だ。高級そうな型のスーツに灰色のコートを羽織っている。

 寝ているだけでも絵になる完璧なスタイルだ。

 髪もサラッとした銀色でどこか浮世離れしているというか、一般人とは違う世界に生きている印象を受けた。

 それなのにわざわざ船を使うなんて見上げた倹約家だ。

 大西洋から太平洋まで来るんだったら、パナマ運河なんか通らずに空のルートで移動すればいいものを。

 それで話は戻るが、バクがいくら声をかけても男は面白いくらいに目を覚まさない。

「ってすげぇ。チョーやべぇ時計してる。これ一個でオレの食事何日分になるんだろ」

「──ん、こちらをジロジロ見てどうかしたか」

「お、やっと起きた。お客さん、船から降りてくれなきゃ困るよ。もうエルピス島に着いてんだから」

「そうか、すまなかったな」

 目覚めと共に帽子をどけた高級時計男は、より一層世間離れした印象を与えてきた。切れ長の大きなツリ目は顔の美しさを引き立て、同時に適度な緊張感を持たせてくる。

 その姿を目にしただけでバクは背筋をピンと正されたような気がした。

 きっと凄い金持ちなのだろう。三大人工島でこんなに良い格好をできるのは一握りの人間だけだ。どこかで社長をやってるか、もっと上の社会的地位にいる人間に違いない。

 もしくは──

「ずっと座ってたら痺れるでしょ。ほら、立って。出口はあっち」

「気を遣わせてすまない。しかし大丈夫だ。人を待っているのでな。この船はクラニア港でしばらく停泊するはずだろう。少しばかり居させて欲しい」

「どんな人を待ってるんですか?」

「それは秘密だ、坊や」

 高級時計男はいたずらっぽい笑みと共に、人差し指を口元に添えるジェスチャーを見せてきた。どうやら知られたくないことがあるらしい。

 バクは黒い双眸を、彼の灰がかった瞳に突き刺しながら会話を続けた。

「こう見えても来年で成人っすよ、お兄さん。こっちはもう行くんで。くれぐれも船で変なことはしないでくださいよ。キズを付けたら──弁償だからな」

「ああ」

「約束っすよー」

 それからバクは高級時計男のもとを離れ、先ほどのマダムと再会した。

 息子さんがゲロる前に間に合ったようで、とても感謝されてチップまでいただいた。

「(それにしてもさっきの高級時計男、怪しかったな……)」

 バクが去った後、大客室には静寂が訪れた。

 窓の外に見える何羽かのカモメと風に揺らめく波以外のすべてが静止している。ひどく落ち着いた雰囲気だ。先ほど男がやっていたように、ほんの居眠りをするにはちょうどいいのかもしれない。

 しかししばらく時間が経った後、その静寂を突き破るように誰かがカツカツと靴を鳴らしながらやってきた。

 足音はひとつ。素早く男の方へ向かう。

「──おや、どうした。わざわざ戻ってくるとは」

「へへ、お兄さんに聞きたいことがあって」

「何のつもりか知らないが、まずは手をどけてくれないか」

「ヤだね」

 大客室にやってきたのは高級時計男の待ち人ではなく、バクだった。

 男の細く白い首に手をかけ、座席を跨いで後ろから問い詰めるように話している。

 男は身に覚えがないようで心底困惑していた。

 そして困惑しながらも厳粛な態度は崩さないでいた。先ほどまで居眠り中だったというのに何だか無駄に風格のある奴だ。

「こんないい格好してるのに飛行機じゃなく船なんか使って誰かと待ち合わせ? お兄さんさぁ、売人やってるっしょ? この前も何人か捕まえたぜ、エルピス島にひっでぇ商売を持ち込もうとしたカスの輩を」

「いきなり犯罪者扱いか」

「薬の匂い、するぜ。最近治安の悪い奴ばっかり相手にしてたから気が立ってんだ。あ、くれぐれも変な真似はすんなよ。オレだってお兄さんに怪我させるような真似はしたくない」

「あいにく身分を証明できるものを持ち合わせていない……が、エルピス島に会社を持っている。こちらは正当な理由があって薬の取引をしているんだ」

「番号は? オレが今電話するぜ」

「……事業を始めたばかりで、まだ形だけしか」

 言葉攻めをするバクに対し、高級時計男はハァとため息を吐いた。彼としてはバクと小競り合いを起こすのは不本意なのだろう。

 どうやって窮地を脱すべきか、彼は首を預けたまま考えていた。

 実は、バクを今すぐ排除しても構わないのだが、それが大問題になることは間違いない。なぜなら問題を起こせば世界政府お抱えのドミニオンズがすぐさま飛んでくるから。

 しかしそうでもしなければ見逃してもらえないといった感じもある。一体どうしたものか。

 男は悩んだ末、秘密裏に合図を送った。大客室に潜んでいたもう一人の仲間に対して。

「──クラウス、やれ」

「はい」

 声とほぼ同時に、物陰から長身の人影が飛び出してきた。地面を蹴る音は力強く、動きは素早い。

 その刺客は瞬時にバクとの距離を詰め、少しの迷いもなく蹴りを放った。

 恐ろしく長いリーチだ。かなり恵まれた体格をしている。バクが咄嗟に回避できなかったら確実に肋骨を折られていた。

 距離を取り、バクは改めて二人の敵を見据える。

「あんた仲間がいたのか……乗船チケットはちゃんと全員分買ったんだろうな?」

「そこを気にするのか」

「オレは無賃乗船する野郎も大嫌いなんだ」

 刺客と高級時計男がいるのは船の前。バクは後ろまで飛び退いた形だ。

 幸い、出入口は後ろにあるため逃げられる心配はない。

 もちろんバクがそこから逃げたっていい。こういうのは警察の領分だろう。

「でもアンタらはオレを逃がしてくれないだろ? へへっ……いってぇ……」

「どうだかな。こちらは不当に疑われた、それの『回答』をしたまで。どうなるかは貴様次第だ」

 バクは舌打ちしてゆっくりと立ち上がるも、ぶっ飛ばされた衝撃で体をうまく動かせない。

 あれは見事な飛び蹴りだった。よっぽど訓練された人間でないとあんな芸当は不可能だ。

 察するに刺客は高級時計男のボディガードといったところか。無口なのが不気味だが、それ以上に彼の容姿が恐ろしい。

 バクは少々息を切らしながら刺客の顔をゆっくりと見定めた。見定めながら、適当な話で時間を稼いだ。

「チッ、逆上して武力行使か? よっぽど都合が悪いみたいだな。それともアナスタシス島じゃこういうやり方が普通なのか?」

「物騒なエルピス島の奴らなんかとは違う。それにもう一度言わせてもらう。俺たちは人を待っているんだ」

「──その通り。私たちには予定がある。すまないが君には眠っていてもらおう」

「うわっ、急に喋った」

 刺客がようやく口を開いた。かと思えば、その声がくぐもっていて驚かされた。

 彼の服装を一言で表すなら『異常』だ。高級時計男の方を紳士的なビジネスマンに例えるなら、ボディガードの彼はまるで人目を嫌うシリアルキラーのようだった。

「……にしてもかなりピンチだな」

「引き下がるか? そうしてくれるとありがたい」

「怪しい二人組を放って見なかったことにしろってか? そもそもな、勘違いしてるみたいだが──」

 真冬でも着ないようなロングコートで全身を包んでおり、顔は登山で用いられるフェイスガードとゴーグルで意図的に隠してある。

 そして先程も言ったように声はくぐもっており、そのせいで中性的な印象を感じた。

 身体の起伏に至っては何枚にも重ねてある衣類のせいでほぼ平らに均されており、人間よりも柱に近い見た目をしていた。

 その柱から屈強な腕が二本も生えている訳だ。怖いったらありゃしない。

 しかしバクの正義がこのくらいでは折れる訳がなかった。

「オレがピンチかどうか、まだ決まったワケじゃないぜ」

「……っ、警戒しろ! クラウス! 奴はその口振りから鑑みるにドミニオンズだ! 思えば、先程まで俺の首に手を添え、能力を発動しようとしていた!」

「メテオライト様、彼はまだ幼い少年に見えますが。クラニア港はこのような頼りない用心棒を雇っているのでしょうか? それに彼、喉の『防護マスク』すら持ってませんよ」

 高級時計男はメテオライトというらしい。思わぬところで名前が割れた。

 しかし彼らはどうも妙だ。ドミニオンズなんて全人口の1%にも満たない上に、それに関するほとんどの情報が安全のために秘匿されている。それを知ったような口振りでいるということは、彼らがやっている怪しい会社に何かあるのだろうか。

 それともまさか彼ら自身が──

「こっちには複雑で厄介な事情があんだよ。ドミニオンズだってこと、みんなにも隠してるし。でもまぁ、お前らを倒して警察に引き渡せばそれもチャラだろ?」

「貴様だけがドミニオンズだと思うな。クラウス、能力を出しても構わん。全力で叩け」

 ドミニオンズは超常的な能力を扱う。

 それは他人を助けることも、逆に傷付けることも自由だ。人類の常識に縛られない形で多種多様な能力を開花させてきた点が、それだけがすべてのドミニオンズに共通している特徴だ。

 中でもバクの持つ能力は少しばかり物騒だが。

「(ちぇ、コイツらもドミニオンズかよ。売人を一掃できると思ったんだけどなぁ)」

 ちなみにドミニオンズには弱点が一つだけ存在する。

 それは「マスクを通さずに酸素を吸えば喉が爛れてしまう」というものだ。地球外生命体に冒された人間は高熱で死亡すると説明したが、それは人間側の免疫反応によるものではなく、あくまで地球外生命体が持つ性質によって引き起こされるものである。

 それらは酸素と反応すると、なんと驚くべきスピードで自然発火してしまうのだ。

 だからドミニオンズが能力を引き出そうとし、体内に飼っているその生命体との親和率を少しでも引き上げてしまうと──

「ま、オレもドミニオンズってヤツだぜ。喉が真っ赤に焼けてるのがよく見えるだろ?」

「(──なぜ平気でいられる。常人なら喉が焼ける痛みで失神してもおかしくない)」

「メテオライト様、下がってください」

「おおっと二人ともやる気は十分みたいだな──じゃあオレから行くぞっ!」

 バクは喉に火を宿したままクラウスに向かって突進した。身を屈めて素早く懐に飛び込み、鋭いアッパーカットをぶちかます構えで。その攻撃がヒットすれば、ワンパンで脳震盪を誘発してバクの勝利となるだろう。

 しかしそう簡単に進まないのがドミニオンズ同士の戦いだ。

「ぎっ!? なんだコイツ、皮膚がめちゃくちゃ硬ぇ……!?」

「拳の骨を割ってしまったら申し訳ありません。ですがドミニオンズと遭遇した時は、まず相手の能力を見るのが定跡です」

「体を硬くする能力か……!」

「お見事」

 クラウスはバクを煽るように拍手した。

 地球外生命体との親和率を引き上げたことで身体の一部があり得ないほど硬くなり、普通の攻撃を通さないようになっている。また彼はフェイスガードを付けているおかげで喉を焼かれる心配もない。

 そして身体が硬いということは、それを武器として使えるということでもある。クラウスは右足を半歩だけ引くとすかさず反撃に転じてきた。

「次はこちらの番ですよ、名は」

「バクだ! 来るなら来い!」

「素晴らしい威勢ですね。では行きますよ、バクさん。フンッ!」

 バクが次に聞いたのはクラウスが床を踏みしめる音でも、拳を差し向けてくる時の荒い息づかいでもなかった。

 それはまさに、一秒前まで船を支えていたはずの立派な柱が、子供に捕まった虫のごとく無邪気にへし折られる音だった。

 本来であれば絶対に折れはずのないそれが、クラウスの美しさすら感じさせる回し蹴りによってバキバキに砕け散りながらバクの方へ飛んでいった。

「(クラウスの凄まじい攻撃、普通の人間なら避けられるはずがない。おそらく奴は怪我を防ぐために能力を解禁するはずだ)」

 メテオライトはすでにクラウスの背中側に移動し、戦場と化した大客室を俯瞰していた。どうやら彼自身はドミニオンズではないらしく、しきりに両者の攻撃を観察しては適切な距離を保つように終始していた。戦いを適切に恐れている者特有の慎重な動きだった。

 またクラウスは酸素遮断仕様のフェイスガードを着用していたことから、やけに『このようなケース』に慣れていると分かった。その事実はバクにとって大きな誤算だった。まさかこんな田舎の小さな船で手練れのドミニオンズと鉢合せるなんて。

 恐ろしく運がない。

「くっ……でもやるしかねぇッ!」

「来るぞ、クラウス」

「メテオライト様、ご注意を」

 クラウスはメテオライトを全身で庇いながらも、バクが次に打ってくるであろう一手に目を光らせていた。ゴーグルの下でギラついている目玉たるや、ただのボディガードに収まらないほど獰猛で貪欲な輝きだった。

 まるでバクという新たなドミニオンズと戦えることを心の底から喜んでいるよう。

 そして瞬きする間もなく時は訪れた。

 バクは両腕を前に突き出し、目の前にいる二人へ、鼓膜を突き破らんばかりに叫んだ。

「内臓焼かれたくなきゃ口ィ──閉じとけよ!!!」

 大客室にチッという場違いでマヌケな着火音がした。何かが弾けたようだった。

 かと思えば、次の瞬間には空気が異常な熱を孕んでブクリと凶暴に膨らんだ。

 バクは口の中で小さく呟く。


「──てん、か」


 メテオライトは見ていた。

 空気が真っ白になって破裂した瞬間、バクが確かに笑っていたところを。

「(──! 爆発系のドミニオンズか!)」

 そして気づいた時にはもう手遅れだった。

 メテオライトとクラウスは顔に溶岩をぶちまけられたような気がした。


──ドガァァァァアアンッ!!!!


 次の瞬間、海の上に大きな、それはもう大きなバースデーのろうそくが点いた。

 バラバラになった船骸をそこら中にまき散らしながら。

 春先の穏やかな日の出来事だった。




 昼のニュースがドミニオンズの話題で埋め尽くされている。

 悪魔が火を吹いたとか、船が襲われたとか、適当なことを垂れ流すばかりだ。

 しかしクラニア港から離れるように、という警告だけは的を射ていた。おかげでバクの顔を見にくる野次馬は少なかった。

「うっわ……ちょっと火が強すぎたか?」

「この調子ではすぐに世界政府の者が来るだろうな」

 船の上半分が吹っ飛んだおかげで綺麗な青空とご対面。

 メテオライトは煤を払いながら今後のプランを練り直した。爆発に巻き込まれはしたものの、クラウスの能力で致命傷は免れた様子。

「メテオライト様、最遅でも十分ほどの猶予しかありません。最速なら──」

「二分程度だろうな。どうだ、バクといったか。取引をしないか」

 決めつけるような口ぶりだ。まるで貴様は私に従うしかないとでも言わんばかり。

 当然ながらバクは嫌そうな顔をした。

「何の取引だよ。そっちのクラウスだってオレと同じ『法律逃れ』だろ。すぐ捕まるぜ」

「こちらに与すればお前も助けてやる、と言っているんだ。ドミニオンズに対する世界政府の姿勢は酷いものだと聞く。君も逮捕されることは避けたいだろう」

「……でもお前らを逃したらまたどこかで悪さするんだろ?」

「何の仕事をしているか、それはいずれ明かしてやる。世界のためになることだ」

「胡散臭いぞ。あと仕事ってのは大体世界のためになるものだろ」

「船の弁償代もこちらが出す。クラニア港に固執するならお前は地獄を見ることになるぞ」

「弁償は自分の力でする。オレの責任だし」

「……頑固だな」

 メテオライトは諦めの視線を自らの高級時計に落とした。そういえば彼は誰かを待っていると言っていた。きっとその人物は近くまで来ているはずだ。

 もしくはこのバーニングシップを見て、恐れをなして逃げた可能性もある。

「もうすぐ予定の時間を迎える。今が最後のチャンスだ。こちらに来るか、来ないか」

「行くわけねーだろ。オレと一緒に大人しく捕まれ」

「──だったらこれでタイムリミットだ」

 メテオライトは掛け声と共に青空を見上げた。気づけば、ババババとヘリのプロペラ音が鳴り響いている。

 そこにいる誰もが理解していた。あのヘリコプターには世界政府直属のドミニオンズが乗っていると。

「(ま、こんな物騒な真似しといて世界から歓迎されるはずがないよな。火の調整をミスったのがまずかった)」

 バクが裏稼業の輩を自首させる時は、いつも能力を隠しながらこっそり尻に火を点けるだけで済ませていた。しかし今回ばかりは出力をやりすぎた。

 そもそも遭遇した相手がドミニオンズのボディガードを雇っていたなんて考えもしなかった。バクの感覚を狂わせた一番の原因はそれだろう。

「クラウス、とにかく退くぞ。どこか安全な場所へ──」

 そういってメテオライトが身を引こうとした瞬間、目の前にある大量の空気がズボッと引っこ抜かれるような感覚がした。バクも含め、誰もその場から動くことができなかった。


「──安全な場所? まさか逃げるつもりじゃないよね?」


 戦いの終わりを告げるラッパが無慈悲に鳴り響いた。

 バクも、メテオライトも、クラウスも、喉が下から塞がれてしまうほど心臓をドクンと飛び跳ねさせた。

 目の前にひとりの人間が落ちてきたからではない。目の前に落ちてきた人間が、世界最強のドミニオンズと呼ばれているあのガブリエル・マンテキージャだったからだ。

 彼はいくつもの凶悪事件を単独かつ五分以内に片づけてきた、いわば負けなしの矛。彼と相対することだけは絶対に避けなければならなかった。

「そんなに怖がらないでよ。僕はスカウトしに来ただけだから」

「す、スカウト……?」

 バクが物怖じせず──胸の内にある恐怖を最大限取り繕い──ガブリエルに聞き返した。

 世間に疎い彼でもガブリエルの噂はたくさん聞いている。なんなら社員食堂のテレビで見るニュースのほとんどが彼についてだ。この前は建物をひとつ、丸ごと吹き飛ばしていた。

 下手な言動を取れば殺される。

「だからスカウト! 今の時代ってどの業界も人手不足じゃない? だから正義を掲げる我らドミニオンズも頭数が足りてないんだよ。ところで名前は?」

「バク……」

「呼びやすい名前だね。それで能力は何かな?」

「見ての通り。ほら、あの……船の上半分をふっ飛ばしたのオレだし」

「ええ本当に!? 火力めっちゃあるね! いいじゃん、採用! ドミニオンズ機構はいつでも君を歓迎するよ!」

「採用?」

 どうやら採用されたらしい。

「オレ転職するの?」

「うん、君さえ良ければ」

「お金はどのくらい貰えたり……」

「基本給が九百万ドルで、悪いドミニオンズと戦ったら手当も出る」

「それって二万ドルより高いか? 計算まだ苦手で……」

「約五百倍だよ。お金がたくさん貰えるってこと」

 収入が五百倍も上がるらしい。

「え、じゃあ……これからよろしくお願いします?」

「こちらこそよろしく。ところであっちのスーツさんとコートさんは知り合い? 彼らもスカウトしたいんだけど」

 ガブリエルが指した方にはメテオライトとクラウスが。

 しきりに時計を確認しながら腰を低く構えている。

「あっ、アイツらは船の中で怪しい動きをしてたんだ! オレと違って悪者だ! というかさっきまでアイツらに襲われてた!」

「流れるように嘘をつくんじゃない、坊や。まだ状況証拠しかないだろう」

「んー喧嘩したら仲直りしないとね。どう、君らも僕についてこない? 公務員として戦ってくれたら給料弾むよ」

「素晴らしい申し出だな。だが生憎働き口は確保してある。自分なりの生き方もな。断らせてもらうぞ、ガブリエル」

 メテオライトはそう言うとクラウスの腕を引っ張り、なんと後ろに飛び退いた。

 後ろは海だ。一体何を、どこに逃げるというのか──


「──ウーノ、定刻だ!」


 メテオライトがその言葉を叫んだ瞬間、空間がグニャリと歪んだような気がした。

 否、気のせいではない。明らかに景色が円形に歪んでいる。

 海上の何もない場所に黒い穴が開いたかと思えば、そこからひとりの少年が顔を出してきた。メテオライトの仲間か。それとも新たな刺客か。

「って社長!? なんでガブリエルに絡まれてるンすか!?」

「少し暴れすぎたんだ。すぐアジトに戻っ──」

 そのすべてを言い切る前に、メテオライトたちは突然現れた少年と共に消えてしまったのだった。

 そして置き去りにされたガブリエルは残念そうな顔で──

「ワープ系のドミニオンズとかめっちゃレアじゃん。うわぁ、スカウトしたかったぁ……」

 そう言って船の甲板にうずくまった。




 バクはヘリに詰め込まれ、世界ドミニオンズ機構とかいう施設まで連れていかれた。所属しているドミニオンズの数が世界的に見ても特に多く、時にはエルピス島以外の場所まで人員を派遣することがあるらしい。

 トップであるガブリエルが直々に教えてくれた。

 ちなみにアナスタシス島にはアイアニアン重工が、カイロス島にはセレスト芸術保全協会がそれぞれ居を構えており、ずっと前からドミニオンズの有効活用による治安維持活動をおこなっている。

 そしてそれらのトップを務めている人物はガブリエルと仲が悪いとか。この前のニュースで噂されていた。

「ヘリポートからの案内になってすまないね」

「こ、こんな高い場所はじめて来た……」

 本拠地の巨大ビルに連れて行くと聞かされていたのに、実際に来てみるとまるで巨大な城の頂上にある魔王の玉座にいるような気がした。

 エルピス島を見渡せるなんてレベルじゃない。ビルから放射状に造られた幹線道路や関連施設群は、この島に根を張り巡らせているようだった。

 というかいつも船の窓から見えてたバカでっかいビルってこれのことだったのか、とバクは思った。

「ずっといても風が寒いだけだし中に入ろっか。君の登録手続きもしなきゃいけないし」

「オレ、政府公認のドミニオンズになるんですか」

「そうそう。公務員って感じ」

「公務員かぁ……」

 昨日まで接客や肉体労働を強いられていた身としては想像ができない。国の一部となって仕事をするなんて、一体どんな気分なのだろう。

 高所からの景色に腰を抜かしながらもヘリポートから脱出し、高級感のあるブルーがかった灰白色の階段を下り、そんでもって「なんちゃら会議用フロア第七ロビー準備室兼待合室」と長ったらしく書かれた扉を開けると、そこには無駄に広いスペースと一つの机があった。

 この部屋の広さはバクの社宅の数十倍もある。それなのに誰もいない。もったいない。

 突然人が消えてしまったような不気味さに背が凍ったが、前を行くガブリエルは何も気にしていない素振りでスタスタと歩いて行ってしまった。

「他の部屋はお仕事中だし、僕が子供のドミニオンズを無断で連れ込んだってバレると面倒だ。この部屋でさくっと電子署名しちゃおう」

「無断って……セキュリティとか働かないのか?」

「僕、この施設のトップだよ? 僕が監視カメラにまばたきしろって言ったら本当にするからね」

「そこまでできるのか……」

「マジでするよ。普通に映像途切れたりする」

 アホみたいな冗談を言いながらも、ガブリエルは手元で手続きを進めていた。彼が持っているのは世界ドミニオンズ機構が所有している電子タブ。このビル内でしか使えない端末で、中にはいろいろな情報が詰まっている。

 もちろん機密ファイルを覗こうとしたり、部屋から持ち出したりすれば警報が鳴ってシャッターに閉じ込められる。とにかく便利だ。

「そういえば君って文字読めるよね?」

「読めないけど」

「じゃあ契約の条項とか会社の定款とかは?」

「あー……はは、もっと簡単に頼む」

「まるで昔の僕みたいだ」

 ガブリエルは困った顔でしばらく考え込むと、何かひらめいたように画面をスライドさせた。

「じゃあ仮契約にしよう。もし君が不都合な契約だと感じたら一方的に蹴ることができて、給料は他の人と同じように出るよ。ドミニオンズとして働くって結構大変なことだからね。仮契約で働いてみて合わずに去っていった人も多い」

「なんか怪しいな。オレが契約を蹴れるってことはアンタもそうなんじゃないのか?」

「おー鋭いね。でもそんなことはないから安心して。こっちは人手不足だから一人でも多くのドミニオンズを雇っておきたいんだ」

「それじゃあ……金も欲しいし契約してみよっかな」

「オッケーそうこなくっちゃ! 君、名前は?」

「バク」

「いや、ニックネームじゃなくて本名」

「ずっとバクを自称してるし、そう呼ばれて生きてきた」

「……失礼かもだけど親御さんは?」

「いない。あ、オレの過去を探ろうとしたって無駄だ。言いたくないし、思い出したくもない場所から来た。それでエルピス島に流れ着いてからずっとあの船舶会社で働いてたんだよ」

「……じゃあバクっていうのは君が決めた名前なんだね。すまなかった。それも立派な名前だ。この書面にはバクと登録しておくよ」

「助かる。他のことは入力しなくてもいいんだな?」

「ああ、仮契約は完了さ」

 こうしてバクは正式に、いわゆる『正義のドミニオンズ』となった。今日からは悪を懲らしめるのが彼のお仕事というわけだ。

「それじゃあ就任祝いでパーっとやろうか……って言いたいところなんだけど、いやぁナンバーワンドミニオンズの僕は仕事が多くてね」

「またどっかに飛んでいってドミニオンズをスカウトするのか?」

「スカウトするかどうかは状況次第だけど、まあそんな感じ。とにかく世界が僕を必要としてるんだ。早く行かないと」

「──ねぇガブリエル。帰っていたのなら連絡くらい? あれ、お客さん?」

 ガブリエルがその場で足踏みをして急いでるアピールを始めた時、ちょうどドアの向こうから一つの人影が覗き込んできた。

 若々しい女性だ。長い金髪の一部を編み込んでおり、ツンと釣り上がった目尻でガブリエルをきつく睨んでいる。カッターシャツの胸元にネームプレートを提げ、そこに台形フレームのメガネも引っかけていた。

 彼女はバクの姿を認識した瞬間、その堅苦しい緊張感を解いて柔らかな雰囲気を放った。

「あ、こっちはバクくん! 新しい仲間だから案内しといて! よろしく!」

「ちょちょっと待ちなさ──」


──ヒュン、バァン!


 何の音かと思えば、いつの間にか地面に蹴ったような焦げ跡が付いていた。

 そしてガブリエルはどこかに消えていた。とても速い奴だ。

 そういえば今日、彼はずっと鎧のような格好いいマスクを着けていた。いつでも能力が使えるように準備していたのだろう。

 世界最強の矛。その能力は公にされていない。ちょっと気になる。

「もう! またどこかに……はぁ……」

「あ、あの人……なんか忙しいみたいっすよ」

「知っているわ。あの人はいつも助けを求められているから無理はない。それはそうと本当にごめんなさい。いきなりスカウトされたんでしょう? あのスカウト魔に」

「スカウト魔……」

 その女性は呆れ顔で置き去りにされた電子タブに目をやると、そこに書き込んであった内容をざっと把握し、すぐにバクと話を合わせてくれた。

 できる女性のオーラがさっきからプンプンと漂っている。たぶん叱る時は叱るタイプだ。

「改めてこんにちは。私はシュウよ。この世界ドミニオンズ機構で幹部の一人として働いているわ。これからよろしくね、バクさん」

「よろしくっす! 急に聞いてごめんだけどシュウさんもドミニオンズ?」

「ええ、まあ……そうよ。戦闘員としての才能は無かったから事務員として働いているけれど。ともかく案内してあげましょう。広くて楽しいところばかりだから気に入ってくれると思うわ」

 そういうとシュウは笑顔で手招きしてバクを部屋の外に連れ出した。こうして世界ドミニオンズ機構のルームツアーが始まったのだった。




 下へ、下へ、どんどん降りていく。

 先ほどのフロアとは違い、部屋や廊下の区切りがない開放的な区画にやってきた。何やらおいしそうな匂いがあちこちから漂っている。

「こちらは社員食堂。仮契約のあなたでも全然使って大丈夫よ」

「あの、今更なんだけど経歴不明のドミニオンズが隣にいたら怖くない? オレの能力、さっきの電子タブで見たでしょ」

「見たわよ。それにニュースもね。凄かったわ、あの船の焼け方」

「だったらなおさら──」

「わざわざ疑わなきゃダメ? あなたが本当は悪い人だなんて」

 二人は近くにあったラックからトレイを取り出し、シェフが常駐しているカウンターから好きな料理を順番に沿って注文していった。

 メインが一つ、汁物が一つ、あとはフルーツやデザートを好きなだけ取れるようになっている。

「……大盛りアリか?」

「アリよ」

 注文を終えると、彼らは空いている場所に腰を下ろした。

 シュウが頼んだ料理は辛かったり苦かったりするものばかりで、バクとは大違いだった。

 そして肝心のバクは、ガパオライス大盛りにビーフストロガノフ大盛り、あとはリンゴを二つにオレンジを三つ、おまけにチョコワッフルとクレープと大福を注文していた。

「若いって素晴らしいわね。それで話を戻すけれど、そもそもあなたは悪い人に見えないわ。あのガブリエルと楽しそうにしていたし、私が困った顔でうなだれた時、こっちを心配そうに覗き込んでいたでしょう? とっても子供らしくて純粋で……澄んだ目をしていた」

「めちゃくちゃ分析されてた」

「これでも人を見ることが得意なの。人材管理担当としてドミニオンズ向けの悩み相談もおこなっているから、いつでも気軽に呼んでちょうだいね」

「ありがとう、シュウさん。ところでそろそろ食べていい?」

「あっ、ごめんなさい! 遠慮せずにどうぞ」

 会話から解き放たれた途端、バクは目の前の料理をバクバクと平らげていった。

 胃の中にブラックホールでもあるのかと疑うくらいのスピードで料理が消滅していく。その様子にシュウは驚くばかりだったが、しばらくして何を思ったのか、バクと競うように本場仕込みのゴーヤのスープと麻婆豆腐をレンゲでガツガツと口に運んでいった。

 その結果は──

「なんで、そんなに……ゴホッ、食べるのが早いの……」

「いろいろとワケがあって。食べる速さなら誰にも負けないと思う」

「なんてこと……」

 その後はシュウもしっかりと完食を果たし、しばらくお腹を休めてから話に戻った。

「私はあらゆるドミニオンズを信じたい」

「まだ口に赤いの付いてる」

「んっ、失礼……私はあらゆるドミニオンズを信じたい。そうすることでこの時代に光をもたらしたいの」

 シュウは口を紙で拭うと、どこか遠い目をしながら語り始めた。きっと当事者としてこの世界に思うところがあるのだろう。

 バクよりも数年、あるいは十数年ほど先輩のドミニオンズだから、きっと多くの差別を受けてきたに違いない。

「まず前提として、私たちはドミニオンズになりたくてなったわけじゃない。ほとんどの人がそうだと思うの」

「……」

「いつの間にか感染して、差別されて、時には命に関わる傷害を負わされて……それで心が荒んだ結果、反社会的な行動に走る。そんなケースを何度も見てきたし、私自身もかつてそうなりかけていた。だからこそ世界ドミニオンズ機構は『受け入れる場所』でありたいと考えているの」

「目の前にいる奴が喉から火を吹く怪物でも、か?」

「もちろんよ。それとこの方針はガブリエルにも伝えてあるわ。できる限りドミニオンズに歩み寄って、仲間になってくれるまで説得する。それでもダメなら──」

「アンタの代わりにオレが悪い奴を懲らしめてやる」

「……ふふっ、ありがとう。世界ドミニオンズ機構とはそういう場所よ。あくまでも暴力は最終手段。然るべき時に然るべき形で、私たちは執行するから」

 二人は立ち上がり、トレイと皿を返しに向かった。どうやらカウンター横のでかい穴に突っ込んだら勝手に洗ってくれるらしい。

 バクはその穴から鳴り響くゴウゴウといった唸り声に怯えながらも無事にそれらを返してみせた。

「トイレは大丈夫?」

「平気」

「そう、なら次の場所に向かいましょうか。今度はあなたと同じくらいのドミニオンズに会わせてあげるわ」

「子供もいるのか!」

「きっと話も合うと思う。仲良くしてあげてね」

 二人は会話を弾ませながら、また下へ、下へと降りていくのだった。

名簿ファイル


名前:ガブリエル・マンテキージャ

能力:【管理者権限により閲覧不可】

分類:万能型

好き:温かいもの

嫌い:冷たいもの

補足:世界最強の矛。


名前:バク

能力:爆発【未確定】

分類:前衛型

好き:おいしい料理

嫌い:おいしくない料理

補足:能力と経歴の大部分が不明。


名前:メテオライト

能力:【未確認】

分類:【未確認】

好き:【未確認】

嫌い:【未確認】

補足:ドミニオンズでない可能性が高い。


名前:クラウス

能力:硬化【未確定】

分類:前衛型【未確定】

好き:【未確認】

嫌い:【未確認】

補足:バクの証言により能力が判明。


名前:ウーノ

能力:転移【未確定】

分類:特殊型【未確定】

好き:【未確認】

嫌い:【未確認】

補足:極めて珍しい能力と考えられる。


名前:シュウ・エヴァンズ

能力:【削除済み】【私の能力を勝手に書いた人は誰ですか】

分類:後衛型【ガブリエルだよbyソニン】

好き:激辛料理【分かったわ】

嫌い:人だかり

補足:優れた精神性でドミニオンズの地位向上に貢献している。

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