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プロローグ ようこそ、枝園診療所へ

珍しく書置きがあります。ちょっとずつ書き溜めてちょっとづつ吐き出します。

追いついたらしばらく休載にします。

「はい、次の方―」

わたしは枝園縁(えだそのえん)。しがない内科医である。5年ほど前に独立して、診療所を開いた。今では少しずつ、常連のお客さんも増えた。

それもこれも、私の腕がいいから、だと私は思っている。どんな病気でもしっかり診断、うちの設備で診断できない場合はその設備のある病院を紹介している。近場の病院の設備は熟知している。ツテもあるので、ある程度は融通が利くし、カルテも共有されている。こちらとしてもサポートすることはできるのでやりやすい。


今日も今日とて診療である。

今呼び出したのは、常連客の一人である。

おずおずと診察室に入ってきた青年は、少々顔を赤らめていた。熱があるのか。

「相生さん、どうなさいました?」

「はい…少し熱っぽくて…」

そう言った青年の名前は、相生英生あいおいひできという。

熱っぽいというが、体温計の計測結果から見ると平熱である。熱はないらしい。


「じゃあ口の中見せてもらいますね」


口腔内もきれいなピンク色で、できものがあったり扁桃腺が腫れていたりといった様子はない。

となると、いよいよ原因がわからない。内臓の問題なのだろうか…。

看護師に検査準備を指示しようとして、彼の方を見ると…。



眼がイキイキとしていた。これは・・・厄介な病気の患者を抱え込んだものだ。

ため息をつきそうになるがそれを噛み殺し…

「ちょっとすまない、彼と1体で話したい。二人にしてもらえるか」


看護師はそそくさと去っていく。

「それで、君は…」

言いかけて、ドアの向こうの人影に気づいた。

「聞き耳を立てない!」

看護師たちがドアのすぐそこにいたので、彼女らに聞かれないようにする。


「君は菱醍さんに恋をしてるね?」


踏み入った話ながら、職場の人間関係によって業務に支障が出てしまっては困るので、単刀直入に聞いておくことにする。

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