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7-7・鬼の待ち伏せ

-十数分後-


 住宅が途切れ、50mくらい先に、富運寺に上がる100段程度の石階段が見えてきた!


「ヤバいよ、燕真!なんか、すっげーモヤモヤするっ!」

「鬼のテリトリーに入ったってことか!?」

「いや・・・『鬼のテリトリー』程度では済まないようだ。」


 狗塚がバイクを停めたので、俺もブレーキを掛けた。


「どういうことだ?」

「優麗高の時よりヤベー呪いみたいなのを感じるよ。」

「文架中の龍脈をネジ曲げ、霊気の類いを富運寺に集めている理由・・・

 鬼共は、この地で酒呑童子復活の儀式を行うつもりかもしれん。」


 怪しい気配は感じないが、紅葉と狗塚の緊張感は伝わってくる。「この地で不穏な何かが起きている」で間違いなさそうだ。


「オマエは、ジジイが来るまで待ってろ!」

「で、でもっ!」


 紅葉を残して寺に突入をするつもりだった。だが、紅葉と狗塚の様子がおかしい。今まで以上に緊張をしている。


「佐波木っ!準備をしろっ!」

「んっ!?」


 狗塚がYウォッチを構えたので、俺も反射的に武装化の構えになる!


「幻装っ!」×2


 妖幻ファイターへの武装化完了!次の瞬間、空から石階段に2つの闇が落ちてきて、茨城童子と金熊童子に姿を変えた!


「オマエは下がってろ!」


 背後の紅葉をチラ見する。紅葉には安全圏で待機をしてもらうつもりだったのに、真っ只中に連れてきてしまった。


「枯れたとはいえ、狗塚の家系・・・やはり、我らが此の地にいると気付いたか?」

「気付かれるように仕向けたんだけどな。」

「我らの招きに応じてくれたこと、感謝しよう。」

「何を企んでやがるっ!」

「無論、御館様復活の儀式。

 我らが意味も無く妖怪を発生させて、龍脈を曲げるわけがあるまい。」

「妖気を此処に集中させて、御館様に吸収してもらうんだ!」

「やはりな!」

「貴様等如きに無駄な体力を使いたくない。

 貴様等が持っている御館様を封印せしメダルを提供してくれまいか?

 差し出すならば、2度と我らの邪魔をせぬと言う条件で見逃してやる。」


 狗塚が持つ『酒』メダルはともかく、俺の『酒』メダルはベルトから外れないので提供できない。尤も、ベルトから外れたとしても、渡す気は無いが・・・。


「応じるわけが無いだろう!」


 妖刀ホエマルを構え、鬼達へと突進!狗塚(妖幻ファイター)が茨城童子に向けて発砲をする!必然的に俺(妖幻ファイター)の割り当ては金熊童子になった!


「ハァッ!風烈っっ!!」


 離れた位置から拳の連打を放つ金熊童子!風を纏った無数の衝撃波が飛んでくるが、妖気を纏った妖刀を振るって相殺!金熊童子の懐に飛びこんで妖刀を振るった!金熊童子は軽やかに回避をするが、妖刀から伸びた妖気の刃が届いて、肩に浅い裂傷を入れる!更に、追撃をして妖気の刃を金熊童子に叩き込んだ!


「くそっ!」


 直撃を受けて弾き飛ばされた金熊童子が地面を転がる!


「仕留める!」


 ブーツのくるぶし部分に白メダルをセット!俺と金熊の間に広がった炎の絨毯を踏みしめながら突進をして、跳び蹴りの姿勢になる!


「おぉぉぉぉっっっっっっ!!エクソシズムキィィーーーッック!!!」


 漆黒の巨大弾丸と化して金熊に突っ込んでいく!しかし、茨城童子が衝撃波で狗塚(妖幻ファイター)を弾き飛ばし、俺(妖幻ファイター)の正面に割って入った!


「フン!貴様が奥義を発するタイミングを待っていた!」


 茨城童子が両掌から発する妖気防壁がエクソシズムキック受け止める!


「なにっ!」

「『仕留める』は貴様ではなく、私の台詞だ!」


 敗北寸前だった金熊が、茨城童子の後で安堵の溜息をつく。


「・・・ったく!オイラを囮にして時間稼ぎさせるんだもんな!」

「貴様以外では、時間稼ぎもできまい。」

「・・・で、美味しいところはイバさんが持っていくのかよ?」

「それが最も効率的と判断した。」


 茨城童子が気合いを発すると、妖気防壁が肥大化をして、俺の跳び蹴りを押し戻しはじめる!


「なにっ!?」


 前回の優麗高での戦いでは力業で競り勝っていたはずなのに、今は力負けをしている!


「バカなっ!」

「フッ!不思議なことなど何一つ無い!」


 茨城童子は、片方の手に握られた3枚の『酒』メダルを見せ付ける。


「先日は、私が持つ御館様のメダルは、まだ満たされておらず、

 貴様の持つメダルのみが、御館様の力を発揮させていた。

 だが今は違う。満たされ、同等の力を持つメダルが、こちらには3枚。」


 鬼達は優麗高の時のような派手な搾取はせず、俺達が気付かないように少しずつ生命力の搾取を続けていたのだ。


「そして、私と貴様の力量差は歴然。

 全てにおいて、貴様に敗北する要素など無い。」


 更なる気合いを発する茨城童子!妖気乱舞が発動をして、周りの空間が掌握され、妖気が衝撃波となって俺(妖幻ファイター)に押し寄せて着弾!体勢を維持できなくなり、弾き飛ばされて地面に落ちる!

 茨城童子は素早く間合いを詰め、鋭い爪を振り下ろす!慌てて妖刀で受け止めるが、力負けをして押し込まれてしまう!


「・・・くっ!」

「封印されたとはいえ、御館様が、人間如きに力を貸すわけがあるまい!」


 俺が持つ『酒』メダルの効果で発揮される妖気の刃は、茨城童子が持つ『酒』メダルが発する妖気に阻まれて、茨城童子には届かない!


「佐波木っ!」


 狗塚(妖幻ファイター)が茨城童子に鳥銃を向けて光弾を放つが、茨城童子が掌から発した妖気障壁で受け止められてしまう!しかし、爪を押し込む力が僅かに弱まったので、茨城童子を押し退けて、どうにか距離を空けた!

 狗塚(妖幻ファイター)が援護の為に駆け寄ろうとするが、金熊童子が妨害に入る!


「佐波木、気を付けろっ!

 茨城童子は、君は弱くて潰しやすいから狙っているわけではない!」

「俺にアドバイスしたいのか、悪口を言いたいのか、どっちなんだよ!?

 弱いとか潰しやすいとか、俺が傷付くことを言うなっ!」


 茨城童子は、容赦無く間合いを詰めて両手の鋭い鬼爪を振るい、俺(妖幻ファイター)は防戦一方になって妖刀で受け流し続ける!


「・・・ん?」


 ベルトの和船型バックルから闇が放出されている。あきらかに「今までとは違う異常状況」だが、劣勢に追い込まれた俺は、対応をする余裕が無い。

※『妖幻ファイターザムシード』の第17話~第19話を簡素化。

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