学園寮(2)
「「嫌がらせ」ですか?言いがかりとか……」
「ああ、【ダルトーム】を良く思っていない勢力……反ダルトーム派といえばいいのかな、そいつらが一斉に「嫌がらせ」をはじめている。所詮、「嫌がらせ」レベルのことなので案件を整理すれば解決するのだけれど、1件解決するあいだに3件新たな「嫌がらせ」が行われているのが現状だ。
テザリオ副団長とかは、「もう王都の警護を止めてしまえばいい」とぼやいている状況だ。」
俺の友人で、パールの面倒を見てくれているジャンとモーリーがこの場に立ち会ってくれているが、ダルトーム騎士団テザリオ副団長の件の話は初見なのか、「えええ、そこまでひどいことになっているのかよ」「やばいじゃん、それ」とぼやいています。
聞こえてるよ、二人とも。そして、結構やばいのかもしれないよ、二人とも。
まあ、正直、俺はあんまりどうでもいいのだけれどね。いざとなったらワーランド家の運営を全て放り出して探索者稼業に専念すればいいのだから……、うーん、そう割り切るにはあまりに人間関係を醸成しすぎているか?そんなこといったらまずいのか??
「一応ながら、ワーランド家家長からの【注意喚起】というわけだ。俺もあまりこういう言い回しではいいたくないのだけれど、ワーランド家に留まらず【ダルトーム】や【南の国】全体に影響のあることなので、気を付けてほしい。」
「はい、先輩達の助言もあり、祖父母の家とのつきあい方は気を付けているつもり……気を付けています。
あれ、はっきりパールが自分の口でいったね。そんなに聞き分けの良いタイプの人間だとは思っていなかったのだけれど。あれ、ジャンの表情が微妙にゆがんでいるじゃないか。
「王都の法衣貴族の方が、俺に関わってきたんだよ。リードからパールに乗り換えたら当男爵家を支援する伝手があるってね。そのことをパールに云ったら、パールが結構怒ってさ……」
まあ、春先、サリウム事変が大きな局面を迎える場面において、結構、パールに眼をつけた【中央派】の皆さんがいて、その時も相当ドタバタしていたのは確かだし。折角、サリウム案件が最善に近い形で落ち着いて、【ソロムの魔獣暴走】以降、混迷していた【南の国】の勢力争いもやっと出口が見えて落ち着いてきた段階で、このザマだからねえ……
「どうみたって、先輩方に迷惑をかけているだけではないですか。僕がこの寮の中で何とか過ごさせてもらえているのは、先輩達をはじめとした寮のみんなのおかげです。なのに、その関係を崩すようなことを僕の身内がいうようでは……失礼、身内かどうかはわかりませんが……」




