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裏切られた俺だけが覚醒した 《契約支配(ドミネーション・コントラクト)》 ――奪われたすべてを、奪い返す 〜今さら謝ってももう遅い〜  作者: 竜太郎


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300/444

第300話「百日目の沈黙」

 夜。


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 王城前広場。


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 風が吹く。


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 静かな夜だった。


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 そして。


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 ゼル。


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 まだいる。


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 変わらない。


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 王城を見る。


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 ただ。


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 それだけ。


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 広場の人々は。


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 もう数えなくなっていた。


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 何日目か。


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 何週間か。


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 そんなことはどうでもよかった。


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 ただ。


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 いる。


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 それだけが現実だった。


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 一方。


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 王城内部。


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 会議室。


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「……退役願い」


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「……七十八件です」


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 報告が響く。


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 誰も驚かない。


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 誰も怒らない。


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 怒る力も残っていない。


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 別の報告。


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「……商業許可証処理」


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「……平均十六日遅延」


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 さらに。


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「……王都来訪隊商」


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「……前月比一割減」


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 数字が並ぶ。


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 静かに。


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 確実に。


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 王国を削る数字。


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 一方。


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 最上階。


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 ヴァルディスは窓辺に立つ。


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 広場。


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 ゼル。


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 変わらない。


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「……百日か」


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 小さな声。


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 誰へ向けた言葉でもない。


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 短い沈黙。


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「……何もしていない」


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「……だが」


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「……多くが変わった」


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 窓の向こう。


---


 王都は生きている。


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 だが。


---


 王城は少しずつ沈んでいた。


---


 静かに。


---


 音もなく。


---


 確実に。


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(次話へ)

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