表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

25/36

第25話 終わらない罰

―中央広場―


「……次で終わりだ」


 ゼルの言葉が落ちる。


 静寂。


 誰も動かない。


 視線は一人に集まる。


 ガルド。


―ガルド―


「……やめろ」


 かすれた声。


「……やめてくれ」


 さっきまでの強さはない。


 ただの“人間”だった。


「……頼む」


「もう……」


「……許してくれ」


―ゼル―


「……遅い」


 即答。


「全部、終わってから言うな」


 冷たい声。


「……俺は……」


「知らなかったんだ……!」


「妹のことも……!」


 必死の言い訳。


「関係ない」


 切り捨てる。


「お前がやったことは変わらない」


 完全な断罪。


―最後の選択―


「選べ」


 ゼルが言う。


「今ここで死ぬか」


 一歩、近づく。


「それとも」


「生きて後悔し続けるか」


 沈黙。


 誰も息をしない。


―選択―


「……生きる」


 ガルドが言う。


「……どんな形でもいい」


「……生きたい」


 崩れた声。


―契約―


「……そうか」


 ゼルが頷く。


「なら契約しろ」


 手をかざす。


「……従う」


「すべてに」


「……契約、成立」


 その瞬間。


 空気が変わる。


―処理―


「連れて行け」


「はい」


 ルークが動く。


「……どこへ……」


 ガルドが呟く。


 ゼルは答える。


「お前の場所だ」


―後日―


 王都の外れ。


 一つの塔が建つ。


 誰も近づかない。


 誰も触れない。


―塔の中―


 暗い部屋。


 冷たい空気。


 そこに。


 ガルドがいる。


 動けない。


 逃げられない。


 ただ。


 “聞こえる”。


―声―


「……なんで俺じゃなかった……」


「……違う……」


「……俺は……正しかった……」


 何度も。


 何度も。


 同じ言葉が繰り返される。


 終わらない。


―外―


「……あれが」


「裏切りの代償か」


 民衆が囁く。


「……怖いな」


「ゼルってやつ」


 震える声。


―ゼル―


「……」


 塔を見上げる。


 表情はない。


 ただ一言。


「一つ目だ」


 静かに呟く。


―締め―


 裏切りには、代償がある。


 それは死では終わらない。


 終わらせない。


 それが。


 ゼル・アークレイドの復讐だった。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ