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第227話「慣れた広場」

 夕方。


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 王城前広場。


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 露店。


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 冷たい風。


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 人通り。


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 そして。


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 ゼル。


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 まだいる。


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 動かない。


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 王城を見る。


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 ただ。


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 それだけ。


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「……もう」


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「……景色だな」


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 男が呟く。


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「……怖え景色だけど」


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 返事が返る。


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 誰も笑わない。


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 誰も近づかない。


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 だが。


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 避けもしない。


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 見る。


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 確認する。


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 少しだけ話す。


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 帰る。


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 それが。


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 少しずつ。


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 日常になっていた。


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 一方。


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 近衛騎士たちは。


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 その慣れが恐ろしかった。


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 広場は慣れる。


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 なのに。


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 自分たちは。


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 まだ削られている。


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(次話へ)

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