第22話 折れない否定
―中央広場―
「……ふざけるな!!」
ガルドの怒声が響く。
「こんなもの、全部捏造だ!!」
ざわめく民衆。
揺れる騎士たち。
「俺は戦っていた!!」
「全部じゃないにしても!」
「功績は俺のものだ!!」
必死の否定。
だが。
「……そうか」
ゼルは静かに返す。
「なら説明しろ」
短い言葉。
―詰問―
「西部掃討戦」
「なぜお前は後方にいた」
「……っ」
「東部防衛戦」
「なぜ突破の瞬間に前にいなかった」
「……それは……!」
「答えろ」
逃げ場を塞ぐ。
「……状況判断だ!!」
「最適な位置にいた!!」
「そうか」
ゼルは頷く。
「なら」
「なぜ記録はすべて同じだ」
沈黙。
「主戦力:ゼル」
「補助:ガルド」
「……っ!!」
―崩し―
「お前は戦っていた」
ゼルが言う。
「それは事実だ」
「だが」
「一番ではない」
静かな断言。
「……違う!!」
「俺だって!!」
「俺だってやってた!!」
叫び。
だが。
それは“証明”にならない。
―核心へ―
「……なぜだ」
ゼルが問う。
「なぜ、お前は報告を自分のものにした」
「……」
答えない。
答えられない。
「……理由は一つだ」
ゼルが言う。
「嫉妬だ」
「……っ!!」
空気が凍る。
―否定―
「違う!!」
「そんなわけあるか!!」
「俺は合理的に――」
「違う」
即座に否定される。
「お前は」
「一番になりたかっただけだ」
「……っ……!!」
―暴かれる本音―
「違う……」
「違う……俺は……」
言葉が崩れる。
「俺は……」
そして。
出る。
「……あいつが邪魔だった」
沈黙。
―確定―
「……そうだ」
ゼルが言う。
「それでいい」
「それが答えだ」
完全に暴かれた。
―崩壊の加速―
「……違う……」
「違う……!」
ガルドが後退する。
「俺は……」
「正しかった……!」
だが。
誰も頷かない。
―民衆―
「……最低だな」
「……あれが英雄か?」
「……ただの……」
言葉は最後まで言われない。
だが伝わる。
―締め―
「……次だ」
ゼルが言う。
静かに。
「奪う」
その一言で。
すべてが終わりに向かう。




