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第210話「減る笑い声」

 夕方。


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 王城内部。


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 厨房。


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 以前より。


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 静かだった。


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 鍋の音。


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 包丁。


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 火。


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 それだけ。


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 笑い声は少ない。


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「……最近」


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「……誰も雑談しないな」


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 若い使用人が漏らす。


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 年配の女が。


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 すぐ目を向けた。


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「……静かにしな」


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 短い声。


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 皆。


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 理由を知っていた。


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 外。


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 ゼル。


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 王城前。


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 動かない男。


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 それが。


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 少しずつ。


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 城へ入り込んでいる。


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 一方。


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 近衛詰所。


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 誰も冗談を言わない。


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 窓を見る者。


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 目を逸らす者。


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 そして。


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 誰も。


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 何も言わない。


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(次話へ)

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