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第198話「近衛騎士団長」

 王城前。


---


 近衛騎士団長は。


 ずっとゼルを見ていた。


---


 何日目か。


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 もう。


 感覚が曖昧になっている。


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 ゼルは動かない。


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 なのに。


 近衛は限界へ近づいている。


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「……団長」


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 若い騎士が近づく。


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「……休んでください」


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 団長は首を振る。


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「……ここを離れれば」


「……完全に崩れる」


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 小さな声。


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 若い騎士は返せない。


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 理解しているからだ。


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 今。


 王城を支えているのは。


 もう。


 “形だけ”だ。


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 その時。


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 ゼルがゆっくり視線を向ける。


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 団長へ。


---


 一瞬。


 呼吸が止まりそうになる。


---


 だが。


 すぐに視線は外れる。


---


 再び。


 王城へ戻る。


---


「……なんなんだ……」


---


 団長が小さく呟く。


---


 敵意すら向けられていない。


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 それが。


 何より苦しかった。


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