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第131話 逃げ出した者

―王都・外縁・街道―

(貴族視点)


「……急げ!!」


 叫ぶ。


 馬車が揺れる。


 速度は限界。


―中堅貴族―


「……止まるな!!」


 何度も言う。


 自分に言い聞かせるように。


―状況―


 王都を出た。


 門も通った。


 護衛もいる。


―理屈―


 距離を取れば。


 逃げられる。


 そう思った。


―だが―


「……っ……」


 違和感。


 消えない。


―空気―


 軽くならない。


 王都を離れたのに。


―中堅貴族―


「……なんでだ……」


 声が震える。


―護衛―


「……問題ありません!」


 強く言う。


 だが。


 目が泳いでいる。


―違和感の正体―


 “追われていない”


 それが逆に。


 怖い。


―中堅貴族(心中)―


(……本当に……逃げてるのか……?)


 その瞬間。


―馬車内部―


 音が消える。


 揺れが止まる。


―停止―


「……は?」


 外を見ていない。


 だが。


 分かる。


―異常―


 “動いていない”。


―中堅貴族―


「……なんで……止まって……」


 言いながら。


 振り向く。


―視線―


 目が合う。


―ゼル―


 馬車の中。


 最初からいたかのように。


 座っている。


―沈黙―


 声が出ない。


 思考が止まる。


―中堅貴族―


「……な……んで……」


 理解できない。


 距離を取った。


 逃げた。


 なのに。


―ゼル―


「……関係ない」


 淡々と。


―意味―


 距離。


 場所。


 逃走。


 全部。


 無意味。


―崩壊―


 希望が消える。


 一瞬で。


―中堅貴族―


「……やめ……」


 言い切れない。


 もう。


 分かっているから。


―締め―


 逃げるという選択。


 それすら。


 意味を持たない。


 その時点で。


 すべては。


 終わっていた。



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