表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

117/148

第117話 終わりの先に

―王都・上層区・エリナの部屋―


 静寂。


 動かない。


 エリナは目を閉じたまま。


 立っている。


―時間―


 数秒。


 何も起きない。


 ゼルも動かない。


―違和感―


 終わるはず。


 なのに。


 終わらない。


―エリナ―


「……」


 ゆっくりと。


 目を開ける。


 逃げない。


 視線を上げる。


―視線―


 ゼルを見る。


 まっすぐ。


 初めて。


 逃げずに。


―エリナ―


「……まだ……」


 小さく言う。


―未完の終わり―


「……終わってない……」


―ゼル―


「……ああ」


 短く返す。


 それだけ。


―意味―


 終わりは。


 “行為”ではない。


 “状態”。


―エリナ―


「……怖い……」


 正直に言う。


 初めて。


 隠さずに。


―ゼル―


「……そうか」


 否定しない。


 慰めもしない。


―沈黙―


 再び。


 静寂が落ちる。


―本質―


 ここから先。


 ただ“終わる”だけなら。


 簡単。


 だが。


 それでは。


 “終わらない”。


―エリナ―


「……全部……」


「……分かってる……」


 震えながら。


 それでも。


 言う。


―確定の維持―


 逃げない。


 揺れても。


 崩れても。


 戻らない。


―ゼル―


「……ああ」


 それだけ。


 変わらない。


―締め―


 終わりはまだ来ない。


 だが。


 逃げ場はもうない。


 その状態こそが。


 “終わりの始まり”だった。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ