第9話:侵入
ヴィンセントを追ってデギマ島に辿り着いたシンとブラックは島の生物たちの猛攻を潜り抜けて島の奥深くに向かって進むのだった。
シンが川沿いの道を進むと洞窟が見えてくる。
シンは周囲を見渡すが、他に道も見当たらないので中に入ってみる事にした。
洞窟に入ってすぐの所に船員の死体が転がっているのを見てヴィンセントが洞窟に入ったのを確信したシンは洞窟の奥へと進んで行く。
だが、ここである問題が発覚する。先が見えなくなるのだ。
外からの光が入る入り口付近はある程度見れるが、奥へと進むと周囲が見えなくなってしまう。
「参ったな。松明の準備なんかしてないぞ?」
「まったく、仕方ないわね」
そう言うとブラックは魔石に戻る。シンが背後のブラックの方を向くとブラックは光り輝いてた。
「そんな事も出来るのか!?ブラック凄いな!?」
「魔力で光ってるから気づかれて引き寄せちゃうかもしれないけどね」
シンが感激しながらブラックを拾い上げると照れくさそうにブラックは答える。
シンがブラックの発する光で道を見つけて先に進んで行くと洞窟全体が激しく震える。
揺れはどんどん激しくなっていき、地面が割れたかと思うとシンは崩落に巻き込まれて落ちてしまう。
鈍い痛みを抱えながら起き上がるとシンの周りには骸骨たちが群がっていた。
と言うよりも、シンが骸骨たちの中心に落ちて来た。と言った方が正しいかもしれない。
骸骨たちがカタカタと顎骨を鳴らしながら武器を振り下ろすとシンは攻撃を避けてテーブルから飛び降りる。シンが周囲を見渡すとそこは酒場の様な場所だった。
「なるほどね。これから飯食おうってのに俺が落ちて来たのか。そりゃ悪かったよ」
シンが謝っても骸骨たちが武器をしまう様子は無かった。
「まぁ、そうだよな。元々敵なんだし、謝ったって許す義理無いもんな」
骸骨たちが襲い掛かって来るとシンは背中の剣を抜き、魔力を込めて刀身を伸ばすと剣を振り下ろして骸骨たちを斬り伏せる。
シンが周囲の骸骨たちを殲滅すると何処からか弾丸が飛んで来る。
シンが弾丸の飛んできた方向を見るとライフルを装備した骸骨たちが狙っていた。
「ったく」
シンは剣を背中に収めると右腕をライフルに変えて骸骨たちを狙撃しようとするが、お互いの弾丸が当たって弾き合うだけだった。
シンは一度カウンターの中に身を隠すと右腕をロケットランチャーに変えて骸骨たちに向けてロケット弾を撃ち放つ。
激しい爆発が起きて骸骨たちが吹き飛ぶ。とシンは腕を元に戻すが、その瞬間に手斧と呼ばれる小型の斧がシンの元に飛んで来る。シンが斧の飛んできた方向を見ると骸骨たちが斧を何本も投げて来ていた。
「いや、斧どんだけあるんだよ!?」
シンは叫ぶと身を隠してから骸骨たちの隙をついて駆け寄り、背中の剣を抜いて骸骨たちを次々に舞う様に斬り上げていく。
周囲の骸骨たちを斬り倒すとシンは剣を背中に収めるが、それを待ち構えていたかの様に弾丸が飛んで来る。
「ちっ」
シンは舌打ちをすると飛んで来る弾丸を避けて骸骨たちに駆け寄り、ハイキックを次々に打ち込んで骸骨たちを蹴り砕く。
シンがライフルを装備した骸骨たちを一掃するとまたしても斧が飛んで来る。
「何の為にそんなに斧を置いてるんだよ」
シンは呟くと右手を拳銃に変えて骸骨たちに撃とうとするが、斧を頭に喰らって倒れてしまう。
骸骨たちが倒れたシンに向かって火炎瓶を投げつけたかと思うとシンの身体は激しく燃え上がる。
骸骨たちはカタカタと顎骨を鳴らしながら火炎瓶を投げ続ける。
シンだけでなくその周囲も激しく燃え上がる中、シンは起き上がろうとするがそれを阻止しようと骸骨たちはまたしても斧を投げつけてシンに命中させる。
シンが倒れると骸骨たちは顎骨を鳴らして喜んだかと思うと更に火炎瓶を投げつける。
酒瓶が並んだ棚に炎が燃え移ると酒瓶が落下して割れて次々に爆発が起きる。
それに気づいた骸骨たちは酒瓶や酒樽に向かって火炎瓶を投げつける。
激しい爆発が起きると骸骨たちは勝利を確信したのか、シンの姿が見えない事など気にも留めなかった。
「勿体無ぇな。爆発させる位なら俺にくれよ」
シンはそう言うと振り向いた骸骨たちを剣で斬り砕く。
シンは剣を背中に収めると酒場を後にする。
「また洞窟ね」
シンのコートの中でブラックが呟くとシンは頷き
「そうだな。ブラック、また頼めるか?」
シンが訊ねるとブラックは光り出す。シンはブラックを取り出し、周りを照らしながら洞窟を進んで行く。
少し進むと金属音がしたかと思うと剣が飛んで来る。シンが避けると剣は洞窟の壁に突き刺さる。
「また骨か?」
シンが呟くと洞窟の壁に刺さった剣が壁から抜けたかと思うと持ち主も居ないのにシンに狙いを定めてくる。
「どういう原理でこの剣は浮いてるんだ?」
シンは疑問を目の前の剣に向けるとブラックを懐にしまう。魔剣が斬りかかってくるとシンは剣を避けてから両手を拳銃に変えて魔弾を魔剣に連射する。
シンは両手を元に戻してから背中の剣を抜こうとするが、魔剣に激しく斬り伏せられてから斬り払われて吹き飛んでしまう。
魔剣は追撃を打ち込む様に吹き飛ぶシンに突きを打ち込んで壁に激突させると斬りかかって来るが、シンンは右腕をロケットランチャーに変えると魔剣に向かってロケット弾を撃ち放つ。
洞窟の中に爆発音と魔剣の断末魔が響き渡るとシンは立ち上がる。
だが、その瞬間に爆炎を斬り裂いて新たな魔剣が現れる。
シンは背中の剣に手をかけるが、魔剣に斬り伏せられたかと思うと斬り払われてしまう。
魔剣は素早くシンを追いかけたかと思うとシンが地面に落ちる前に斬り上げてしまう。
魔剣は落ちてきたシンを斬ろうと待ち構えるが、落ちてきたシンに蹴りを打ち込まれて吹き飛ぶ。
シンは着地すると背中の剣に手をかけるが、戻って来た魔剣の柄でみぞおちを突かれて倒れてしまう。
「えほっ!!げほっ!!!」
シンは苦痛に悶えながらも四肢に力を込めて飛び上がり、魔剣の剣撃を避けると魔剣を蹴り砕く。
魔剣の断末魔が響くとシンは息を整える。
「はぁ…はぁ…ふぅ…」
シンの息が整うとそれを待っていたかの様に魔剣が飛んで来る。
「わざわざ待ってくれるなんて優しいな。何なら襲わないでくれると助かるんだけどな」
シンの言葉に「それは出来ない」とでも言うかの様に魔剣が襲い掛かって来るとシンは右腕をガトリングガンに変えて魔弾を乱射する。
魔弾を受けて魔剣が怯むとシンは腕を戻し、飛び蹴りを食らわせようとするが魔剣に弾かれてしまう。
「結構自信あったんだけどな」
シンはそう言うと背中の剣を抜き、魔力を込めて刀身を伸ばしてから剣を振り下ろして魔剣を斬り砕く。
魔剣の断末魔が響くと血の匂いを嗅ぎつけたのかネズミの大群がシンに向かって来る。
シンは近づいてきたネズミを剣で斬り払うが、纏わりついてきたネズミに噛みつかれてしまう。
「痛ぇな!」
シンは魔力で纏わりつくネズミを拭き飛ばすと右手をマシンガンに変えてネズミの群れを殲滅する。
シンは手を元に戻すと剣を背中に収めてブラックを懐から取り出して先に進む。
シンが進むと広い部屋の様になっている場所に出る。シンが道を探していると二本の魔剣が頭上から落ちてくる。
「うおっ!びっくりしたぁ」
シンがブラックを懐に入れると魔剣は地面から抜けてシンに斬りかかって来る。
シンは剣撃を避けると魔剣を殴ってから拳から魔力を撃ち放ち、吹き飛ばすが攻撃を避けたもう一本の魔剣に斬り上げられてしまう。
シンは空中で体勢を立て直すと二本の魔剣に飛び蹴りを食らわせる。
シンの蹴りを受けて一本の魔剣が砕けると洞窟に断末魔が響き渡る。
シンは着地すると残った魔剣に回し蹴りを打ち込んで蹴り砕く。
魔剣の断末魔が響くと新たに二本の魔剣が飛んで来る。
シンが魔剣を避けると魔剣は再度シンに向かって飛んできたかと思うと斬りかかって来る。
シンはハイキックで一本の魔剣は蹴り飛ばすが、もう一本の魔剣に斬り伏せられてしまう。
シンは起き上がると先程蹴った魔剣が斬りかかって来てるのを見て避けると同時に立ち上がり、回し蹴りを打ち込んで蹴り砕くが、もう一本の魔剣に再度斬り伏せられてしまう。
砕けた魔剣の断末魔が響く中で魔剣は倒れたシンを再度斬ろうとするが、シンは剣撃を避けると立ち上がって背中の剣を抜くと魔剣に突きを打ち込んで魔剣を吹き飛ばす。
シンは剣を背中に収めると右腕をショットガンに変えて反撃しようと向かって来る魔剣を迎え撃つが、魔剣に避けられた上に斬り上げられてしまう。
魔剣は斬り上げたシンが落ちてくると何発も突きを打ち込んでシンを再び宙へ打ち上げる。
魔剣はシンが落ちてくると己を勢いよく振り下ろしてシンを斬り伏せる。
魔剣は倒れたシンを斬ろうと再び己を振り下ろすが、シンは剣撃を避けると立ち上がって背中の剣を抜いて魔剣を斬り上げる。
シンは剣に魔力を込めて刀身を伸ばすと落ちてくる魔剣に剣を振り下ろして斬り伏せてからそのまま剣を真横に振り抜いて魔剣を斬り払う。
シンに斬り砕かれた魔剣の断末魔が洞窟内に一際大きく響き渡ると新たな魔剣が現れないのを確認したシンは剣を背中に収めて懐からブラックを取り出して先に進む。
シンが進むと血の匂いを嗅ぎつけたのか蝙蝠の群れが現れる。
シンは右手をマシンガンに変えて蝙蝠たちを殲滅して手を元に戻すと上から「シュー」と言う音が聞こえてくる。
シンが上を向くとそこには全身をエメラルドに包んだかの様な鮮やかな緑色の巨大な蛇が居た。
「いや、何食ったらそんなに大きくなるんだよ!?」
シンが叫ぶと大蛇はシンに襲い掛かって来る。大蛇はシンに噛みついたかと思うと放り投げて地面に叩きつけてから鎌首でシンを押し潰してくる。
大蛇は再びシンに噛みつこうとしてきたが、シンは大蛇の攻撃を避ける。
大蛇はシンを追いかけて噛みつこうとしてくるが、シンが避けると大蛇は洞窟の壁に激突してしまう。
大蛇の瞳孔が針の様に細くなったかと思うと先程とは比べ物にならない程の速度でシンに突撃してくる。
シンが転がって大蛇の攻撃を避けると大蛇の激突した衝撃で崩れた岩盤の下敷きになって動かなくなる。
「ふぅ。今の内に道を探さないとな」
シンはそう言うと洞窟を進む。
道なりにしばらく進むと扉を見つけたシンは扉を開けて中に入る。そこは砲弾や大砲、銃火器などが並んでいた。
「武器庫か」
シンが進むと骸骨の集団が駆け寄って来る。
シンはブラックを懐にしまうと右手を拳銃に変えて骸骨たちに撃つが、背後から忍び寄って来ていた骸骨に斬られてしまう。
「くっ!」
シンが怯むと骸骨たちは一斉に襲い掛かってくる。シンは攻撃を避けると手を元に戻してから骸骨たちを殴ろうとするが、骸骨たちに斬り上げられてしまう。
骸骨たちは倒れたシンを斬ろうと武器を振り下ろすが、シンは骸骨たちの攻撃を避けて立ち上がると殴りかかるが骸骨たちに蹴り倒されてしまう。
シンは即座に起き上がるが、骸骨たちに再び蹴り倒され踏み敷かれてしまう。
骸骨たちはシンの胸ぐらを掴み、宙に放り投げると落ちてきたシンを再度斬り上げてから落ちてきたシンを斬り伏せて地面に叩きつける。
シンが起き上がろうとすると骸骨たちは武器を振り下ろしてシンを斬り伏せる。
シンは抵抗しようと起き上がるが骸骨たちは武器を振り上げてシンを斬り上げると落ちてきた所に一斉に武器を振り下ろしてシンを地面に叩きつける。
骸骨たちはシンが起き上がろうとしない様に何度も武器を振り下ろす。
一向に動かないシンを見て骸骨たちが攻撃をやめるとシンは足払いをして骸骨たちを転ばせたかと思うと立ち上がり、武器を振り上げた骸骨たちにハイキックを次々に打ち込んで蹴り砕く。
シンは立ち上がった骸骨を殴ろうとするが、斬り上げられてしまう。
骸骨たちは倒れたシンに一斉に武器を振り下ろすとそれでも起き上がろうとするシンを斬り上げると落ちてきた所に武器を振り下ろしてシンを地面に叩きつける。
だが、シンは右腕をライフルに変えると連射して近くの骸骨たちを粉砕する。
シンは腕を元に戻すと立ち上がり、背中の剣に手をかけるが上から飛び降りて来た骸骨に斬り伏せられてしまう。
シンは起き上がると拳から漆黒の魔力を撃ち放ち、骸骨たちを吹き飛ばす。
骸骨たちがシンを攻撃しようと駆け寄る中、シンは右腕をロケットランチャーに変えるとロケット弾を骸骨の集団に撃ち放つ。
激しい爆発が起きて武器庫の砲弾や火薬が誘爆を起こすと武器庫の中は火の海と化す。
だが、そんな炎など気にもせずに骸骨たちはシンに向かって来るとシンは腕を元に戻してから飛び上がり、骸骨の集団に飛び蹴りを食らわせて粉砕する。
別の方向から来た骸骨たちが突撃をしてくるとシンは背中の剣を抜いて突きを打ち込むが、武器で弾かれてしまう。
シンは剣を背中に収めると回し蹴りを打ち込もうとするが、剣を突き刺されて倒れてしまう。
骸骨たちが武器を振り下ろすのを避けて起き上がったシンは骸骨たちを次々に殴り砕く。
炎の中から新たな骸骨の集団が現れるとシンは骸骨たちに殴りかかるが、斬り上げられてしまう。
骸骨たちは落ちてきたシンに攻撃をしようとするが、シンは蹴りで骸骨たちの攻撃を弾くと次々に殴り砕く。
シンが骸骨たちを粉砕すると炎の中から兜と盾で武装した2m程の隊長と思われる骸骨が現れる。
「手厚いもてなしだな」
シンはそう言うと殴りかかるが盾で防がれてから斬られてしまう。
骸骨隊長はシンに突きを打ち込もうとするが、シンは攻撃を避けてから背中の剣を抜いて斬りかかる。
だが、骸骨隊長は盾でシンの剣撃を防ぐと剣を突き刺す。
「ぐっ!?」
シンが戸惑う中、骸骨隊長は剣を勢いよく抜くと剣を振り下ろしてシンを斬り伏せる。
骸骨隊長は再度剣を振り上げると倒れているシンに振り下ろすが、シンは転がって剣撃を避けて起き上がると右腕をガトリングガンに変えて魔弾を撃つ。だが、骸骨隊長は盾で防いで雄叫びを上げたかと思うと部下の骸骨たちを呼び寄せる。
シンは腕を元に戻すと落ちている自分の剣を拾い上げて骸骨隊長に斬りかかるが、盾で防がれた上に部下の骸骨に斬り上げられてしまう。
シンが倒れると骸骨隊長と部下の骸骨が一斉に雄叫びを上げる。すると、夥しい数の骸骨の集団が現れる。
シンは立ち上がると剣を振り払い、部下の骸骨たちと骸骨隊長の盾を纏めて斬り砕く。
シンが剣を背中に収めると部下の骸骨たちがシンを斬り払って骸骨隊長の元へと吹き飛ばしたかと思うと盾が無くなって身軽になったのか骸骨隊長は剣を構えてシンに突撃してくる。
剣に貫かれたシンが声も出せずに悶える中、骸骨隊長は剣を振り払ってシンを吹き飛ばす。
骸骨たちは倒れているシンに攻撃をしようと駆け寄るが、シンは起き上がると背中の剣を抜いて魔力を込めて刀身を伸ばすと剣を振り下ろして骸骨たちを斬り砕く。
シンが残った骸骨隊長に突きを打ち込むと骸骨隊長は砕け散る。
シンは剣を背中に収めると炎の中を進んで道を探す。
しばらく進むとリフトを見つけたシンはロープ等が燃えて無い事を確認してからレバーを引いてリフトを動かす。
シンを探している骸骨たちが砲弾や火薬の誘爆で吹き飛び、炎に呑まれるのを見ながらシンはヴィンセントの行方の手がかりになる物を探す。
すると、シンの行く手にトロッコが現れる。
「へぇ。このトロッコでここから船に武器を運んでるのか。なるほど。よし!」
シンは感心したかと思うとトロッコに乗り込む。
「シ、シン?まさか、これに乗って行くとか言わないわよね?」
ブラックが不安そうにシンに訊ねるとシンは周りを調べながら頷き
「そうだぞ。これに乗って…行くんだ…。えっと?どれで動くんだ?これか?」
シンがそう言って目の前のレバーを引くとブレーキが解除されたのかトロッコは急勾配の坂を猛スピードで下って行く。
「うぉぉぉぉぉ!!」
「嫌ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
シンとブラックの声が洞窟内に木霊するとそれを聞きつけたのか、大蛇がトロッコを追って現れる。
「ブラックが叫ぶから今度は蛇が来たぞ?」
「私のせいじゃない!シンだって叫んでたじゃない!?全部シンのせいよ!!」
ブラックが抗議の言葉を叫ぶと大蛇が襲いかかろうと口を開いて噛みついて来る。
間一髪でトロッコの速度の方が勝ってる為に餌食にならずに済んだが、シンは大蛇を睨みつけたかと思うと背中の剣に手をかけるが、大蛇が再度攻撃を仕掛けてきた衝撃で大きくトロッコが揺れるとシンは体勢を崩して倒れてしまう。
シンは立ち上がると背中の剣を抜き、噛みつこうとしてくる大蛇の頭を斬り上げる。
大蛇が反撃しようとしてくるとシンは剣を背中に収めてから右腕をライフルに変えて大蛇に魔弾を撃ち、大蛇を怯ませる。
大蛇が再び攻撃を仕掛けてくるとシンはハイキックで大蛇の顔面を蹴り飛ばす。
シンは構えを取ると大蛇を殴ろうとするが、大蛇がシンでは無くトロッコに突撃をしてきたので攻撃出来ずに倒れてしまう。
シンは拳から魔力を撃ち放ち、大蛇を吹き飛ばす。
だが、大蛇はそのまま体制を低くしたかと思うと何度もトロッコに突撃してくる。
トロッコはレールから外れて洞窟の壁にぶつかるが、着地したのがレールだったのでそのまま走り続ける。
「痛ぇな!!」
シンは激怒するが大蛇の攻撃の振動で落下してきた岩が当たって倒れてしまう。
大蛇はシンが反撃しないのを良い事にトロッコを止めようと頭突きを食らわせてくる。
衝撃で加速したトロッコは結果としては大蛇から逃げたが車体は劈くような金属音を響かせていた。
シンは起き上がると両手を拳銃に変えて、追撃を打ち込もうとしている大蛇に向かって連射する。
魔弾を喰らって大蛇が怯むとシンは背中から剣を抜き、魔力を込めて刀身を伸ばすと大蛇に向かって振り下ろす。
大蛇が怯むとシンは剣を背中に収めてから迎撃しようと構えるが大蛇は体勢を低くしてトロッコに近づくとトロッコに頭突きを食らわせる。
衝撃でシンが体勢を崩して倒れると大蛇は口を大きく開き、トロッコごとシンを喰らおうとしてくるがシンは立ち上がると背中の剣を抜き、牙を剣で弾くと大蛇の口の中を剣で斬り裂く。
大蛇は悲鳴の様な鳴き声をあげるとレールの分岐でトロッコと別の方向へと行ってしまう。
「逃げたのかしら!?」
「そんな訳無いだろ」
シンが剣を背中に収めてる中、ブラックが不安そうに訊ねるとシンは否定する。
そして、レールの合流地点でトロッコに並ぶように現れた大蛇を見て
「なるほどね」
感心した様に呟くと右手をマシンガンに変えて大きく開いた大蛇の口内に魔弾を連射する。
魔弾を喰らって大蛇が怯むとトロッコはレールと大蛇の僅かな隙間を通って大蛇から逃げ去る様に走り抜く。
だが、大蛇はまだ諦めていない様でトロッコを追いかけてくる。
シンは飛び上がるとトロッコを追いかけて体勢を低くしている大蛇の頭部に飛び蹴りを食らわせる。
大蛇が悲鳴の様な鳴き声をあげて暴れる中、シンが降りたトロッコはカーブを曲がり切れずに横転したかと思うと洞窟の壁にぶつかって砕け散ってしまう。
「はぁ。トロッコ楽しかったんだけどな」
シンが呟くと大蛇は雄叫びの様な鳴き声をあげて襲いかかってきて一息に呑み込もうとしてくる。
だが、シンは大蛇の口内で上顎を押さえて踏み止まっていた。
すると大蛇は苦しいのか、激しく頭を振り回すとシンを口から吐き出す。
大蛇の唾液にまみれたシンが洞窟内に落ちると大蛇は雄叫びの様な鳴き声をあげる。
シンが立ち上がって構えると大蛇は頭部で殴るかのようにシンに何度も頭突きを食らわせてくる。
大蛇は攻撃で倒れたシンに勢いよく頭突きをするとシンを吹き飛ばす。
洞窟の壁にぶつかってシンが動かなくなると大蛇は口を大きく開いてシンに襲いかかるが、シンが転がって大蛇の牙を避けると洞窟の壁が大蛇の牙によって抉り取られる。
大蛇は口からボロボロと岩を溢すと雄叫びをあげてシンに再び襲い掛かりシンを飲み込んでしまう。
大蛇は勝ち誇った様に「シュー」と鳴きながら何度も舌を出すと先程までとは打って変わって穏やかに動く。
だが、いきなり大蛇が悶え苦しんだかと思うとシンが吐き出される。
「えほっ!げほっ!!うぇぇぇぇ!!!」
大蛇の体液にまみれたシンが洞窟内に落ちると大蛇は燃える様な憎しみのこもった目でシンを睨みつけながら頭突きを食らわせようとしてくる。シンは大蛇の頭突きを避けると背中の剣を抜き、剣を振り上げて大蛇の身体を斬る。
だが、強靭な鱗に覆われた大蛇の身体には傷はつかなかった。
大蛇は呆気に取られるシンに頭突きを食らわせようとするが、シンはそれを避ける。
シンは剣を背中に収めると右腕をライフルに変えて大蛇を撃とうとするが、大蛇の尾で打ち払われてしまう。
シンを吹き飛ばした大蛇は舌を何度も出して「シュー、シュー」と威嚇をする。
大蛇が威嚇する中、シンは大蛇に駆け寄ったかと思うと背中の剣を抜いて振り上げてから同じ場所に剣を振り下ろして大蛇の身体を斬り裂こうとするが、シンの思惑は外れて大蛇の身体にはやはり傷はつかなかった。
大蛇が呆れた様に尾でシンを打ち払うと八つ当たりをするかの様に洞窟に頭突きをする。
洞窟が激しく揺れると吹き飛ぶシンに岩が落ちてきて岩の下敷きになってしまう。
だが、その上から別の岩が落ちてきて2つの岩が砕け散るとシンは飛び上がり、大蛇に飛び蹴りを食らわせる。
大蛇が尾を振るうとシンは剣を拾い上げて大蛇の尾を弾く。
大蛇が怯んだ隙にシンは剣を背中に収めると右腕をショットガンに変えるが、大蛇はシンを飲み込もうと襲い掛かって来る。
シンが大蛇の上顎を押さえて踏み止まる中、大蛇は頭を激しく動かしてシンを呑み込もうとする。
シンが大蛇の喉に向かってショットガンを撃つと大蛇は悲鳴の様な鳴き声をあげながらシンを吐き出す。
シンは着地すると腕を元に戻して背中の剣を抜き、大蛇の頭部を柄で殴ってから大蛇の頭を斬りつけてから剣を背中に収めると右手を拳銃に変えるが、大蛇はシンを呑み込もうと再び顎で挟み込もうとする。
シンは大蛇の上顎を押さえて踏み止まると大蛇の口内で拳銃を連射する。
大蛇がシンを吐き出すとシンは背中の剣を抜き、魔力を込めて刀身を伸ばすと怯んでいる大蛇に向かって剣を振り下ろしてから真横に振り払い、大蛇の身体を斬り裂く。
大蛇の身体が斬り裂かれて大量の血が降り注ぐ中、シンは剣を振り払ってから背中に収めると暴れ狂う大蛇の頭に蹴りを打ち込もうとするが、暴れる大蛇の頭部に弾かれてしまう。
シンは着地すると背中の剣を抜くが、大蛇の尾で打ち上げられてしまう。
大蛇は自分の目の前にシンの身体が打ち上がるのを見るや否や頭突きを繰り出してシンを洞窟の壁に打ちつける。
大蛇は再度シンに頭突きを繰り出すが、シンは転がって避けてしまう。大蛇は逃がさないとでも言うかの様に再度頭突きを繰り出すが、シンは立ち上がると剣を振り上げて大蛇の頭部を斬る。
大蛇が悲鳴の様な鳴き声をあげて暴れ狂う中、シンが剣を背中に収めると大蛇はシンを飲み込もうと襲い掛かって来る。
シンは大蛇の攻撃を避けると反撃しようとするが、大蛇の攻撃の振動で落ちて来た岩が命中して倒れてしまう。
大蛇はシンを潰した岩ごと、正確にはシンが居た地面ごとシンを喰らうと飲み込んでしまう。
美しかった鮮やかな緑色の身体を赤く染めながら大蛇は雄叫びの様な鳴き声をあげる。
その直後、大蛇が苦しみ出したかと思うと大量の血と共にシンが吐き出される。
「げほっ!!!うぇぇぇぇぇぇぇ」
シンも大蛇の体液の匂いに当てられたのか激しく嘔吐してしまう。
大蛇とシンが競う様に吐血と嘔吐を続けていると先に回復したのは大蛇の様で尾でシンを打ち払おうとしてくる。
シンは大蛇の動きを察知するとカエルの様に這いつくばった状態から四肢に力を込めてカエルの様に飛び上がると大蛇の顔面に蹴りを叩き込む。
シンに蹴られた大蛇は素早く向き直ってシンに頭突きを打ち込んでから尾で打ち上げる。
打ち上げられたシンが洞窟の地面に落ちると上から岩が落ちてくる。大蛇は岩ごとシンを尾で打ち据えて叩き潰す。
大蛇は動かなくなったシンを警戒しながらも地面ごと飲み込むと「シュー」と静かに鳴く。
だが、その瞬間に大蛇の腹に風穴が開いたかと思うと口と風穴から黒煙が大量に出てくる。
大蛇が目と鼻から血を噴き出しながら轟音をたてて倒れると大蛇の腹の風穴からシンが出てくる。
「あぁ。もうやだ。蛇の腹の中にはもう入りたくねぇ」
シンはそう言うとロケットランチャーになっている腕を元に戻す。
「でも、何発も撃たなきゃこうならないなんてね。この蛇、本当に頑丈だったのね」
「飲み込まれる度に腹の中で大砲撃ってようやくこれだもんな。こんなのと戦ってたらヴィンセントも死んでんじゃねーか?」
シンはそう言うと落ちている剣を拾い上げて背中に収めてからレールに沿って歩き、洞窟の出口を目指すのだった。
9話目読了感謝です。
この話を書いている間に3回データが飛んで書き直しに時間を大分取られてしまいました。
個人的には魔剣と大蛇のシーンはもうちょっとサクサク書きたかったのですが、弱すぎるのも許せなかったのでかなりのボリュームになってしまいました。
では、次回のお話でまたお会いしましょう。
失礼します。