その44
◇◇◇◇◇◇ その44
「人間の代わりができるようなAIを私が使えるわけないじゃないの。それこそ可能性であって、事実ではないよね、証拠があるなら別だけど。」
和子の自信は揺るぎないようである。
「ああいえば、こういう。和子さん、なかなかやるわね。」
涼子は苦し紛れに和子を褒めた。
「彗星伝説から褒められてうれしいわ。ありがと。」
「いえいえ、なんて言ってる場合じゃないでしょ。健一さん、反論して。今こそ、そのスペシャルな脳みそを活かすときがやってきたのよ。」
さきほどから成り行きを見守っていた健一になにか秘策があるかと涼子は思った。
「そんなこと言われてもねえ。確かに確固たる証拠になってないからねえ。これじゃ裁判しても勝ち目はないねえ。」
健一は困ったように天井を見上げて、他人事のようにつぶやいている。
「0:00頃、和子さんがみどりのマンションに行ったときにはみどりはまだ生きていた。」
「もちろん。」
「そのあと、和子さんは自分の部屋に帰った。」
「そのとおり。」
「家について0:30過ぎからフォーチュンを続けた。」
「家に着いたという証拠はあるのかしら。」
「彗星伝説ならGPSの記録を調べることができるんじゃないかな。」
「自信あるようだね。きっと家から発信してるでしょうよ。」
「0:46から15分ほどお風呂に入ると言ってフォーチュンから抜けてるねえ。」
「でも、15分じゃあみどりさんのマンションに行って毒を盛り、また部屋まで戻ることは到底できないよ。」
「う~ん、そうだなあ。」
「わかった。そもそも家にいたっていうGPSの記録がごまかされているんじゃないかなあ。」
「そうかもね。でもそれをどうやって証明してくれるのかしら。彗星伝説のお二人さん?。」
「どうやら、こっちの分はかなり悪いみたいね。」
「ようやくわかってもらえたようね。」
「仕方ない、今日のところはここまでにして、お開きにしよう。」
「ふふん、彗星伝説って有名だから少しは骨があるかと思ったけど、心配して損しちゃった。」
「(くっそ~)」




