その21
◇◇◇◇◇◇ その21
題:速報2、潜伏先
内容:うさぎの潜伏先のホテルは新宿のラブホテルROVEです。どこだかわかる人はこっそり行ったらどうかな。(スパイA)
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「これで良しと。」
涼子はフォーチュンからログアウトすると小沢に言った。
「さて、潜伏先のホテルへ出かけましょう。」
小沢刑事は目を丸くした。
「そこで実際に私達二人を逮捕して欲しいのよ。」
「えっ、どういうことですか。」
「警察が実際に逮捕すれば、犯人は安心しますよね。」
「まあ、確かにそうです。」
「フォーチュン発の情報が正確なことがSNSを見ている人たちに信じてもらえますよね。」
「そうなるでしょうね。」
「そうすれば、これからもこの人たちは様々なネタを提供してくれるでしょ。」
「あっ、そうか。」
「そうすれば犯人と接触できる可能性が増えるわ。」
涼子の説明に小沢はさすがに彗星伝説と感心してしまった。
「私達はお先にホテルで待ってますから逮捕して連行して下さい。」
「はっ、わかりました。」
元気に返事をして小沢刑事は腰を浮かした。
「警察内部にもフォーチュンの利用者はいるでしょうから、手品のネタがばれないように注意してね。」
「心得ました。」
「突入は3時間後にしてください。今13:00ですから16:00とします。もうしばらくすると本当に突入するのかどうかの確認がおそらくマスコミから入りますから否定して下さい。そのほうが本当らしいでしょう。」
健一が付け加えた。小沢刑事は涼子と健一の言葉に従いすぐに捕り物の準備にかかった。
小沢刑事はラブホテルローヴに電話すると刑事を二人裏口から入れて欲しいと依頼した。涼子と健一はタクシーでローヴの裏口から中に入り込み、自分達がキープしておいた部屋に入る。
「どうして3時間後なの?」
涼子が健一に聞く。
「そりゃあ、これから忙しくなるからゆっくり休んでおこうと思ってね。」
健一はそういうと涼子の肩に手を回した。
二人がシャワーを浴びて部屋に戻ると小沢刑事から連絡が入った。
「お二人の予想通り、マスコミから連絡が入りました。ホテル周辺は逮捕劇を一目見ようとするやじうまで混雑しています。」
「そうですか。そのやじうまをしっかり記録に残して下さい。犯人がいる確率が高いです。」
健一の言葉に小沢刑事はうなずいた。




