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天雲の 寄り合ひ遠み 逢はずとも
天雲の 寄り合ひ遠み 逢はずとも 他し手枕 われまかめやも
(巻11-2451)
雲だにも しるくし立てば 慰めて 見つつもあらむ 直に逢ふまで
(巻11-2452)
空に浮かぶ雲が寄り合う果てが遠く離れているように、私たちも遠く離れている。
しかし、逢えないからといって、他の女と共寝をするようなことは、ありえない。
せめて雲だけでも、はっきりと立ったならば、それをあなた様と思って、私の心を慰め続けましょう、直接にお逢いするまでは。
空に浮かぶ雲に、愛しい人を偲ぶ。
それは万葉集でも、現代の歌謡曲にも見られる。
雲は、人の魂を連想させる、という説がある。




