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我妹子に 恋ひてすべなみ 夢に見むと
我妹子に 恋ひてすべなみ 夢に見むと 我は思へど 寝ねらえなくに
(巻11-2412)
恋ふること 慰めかねて 出でて行けば 山も川をも 知らずに来にけり
(巻11-2413)
あの娘が恋しくて、どうしようもなくて、せめて夢の中でも逢いたいと思うけれど、ますます眠れなくて、夢の中でも逢うことができないのです。
恋の苦さから、心を慰めることができずに、家を飛び出して来てしまいました。
どんな山があったのか、どんな川があったのか、まったくわからずに、こんなところまで来てしまったのです。
恋煩いも、ここまでくれば、相当なもの。
しかし、心の底から相手に恋う、その気持ちは実に美しい。




