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万葉恋歌  作者: 舞夢
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あらたまの 五年経れど 我が恋ふる

あらたまの 五年経れど 我が恋ふる 跡なき恋の 止まなくも怪し

                        (巻11-2358)

※あらたまの:「五年」にかかる枕詞。

※跡なし:むなしい、実らないなどの意味。


恋心を抱いて五年も経つのに、私の恋が全く実らない。

しかし、それでも恋心がおさまらないのは、全く不思議に思う。


諸説では、「五年」は、都から地方に赴任している官僚の任期中のことらしい。

地方の女をモノにしようとしたけれど、全く実らなかった。

しかし、恋心はおさまらないと言うのである。


都からの官僚という身分が、通用しなかった。

それを不思議に思ったところで、土地の女にも相手を選ぶ自由がある。

都からの官僚の慢心を感じさせる歌である。


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