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わが背子は 幸くいますと 帰り来て
わが背子は 幸くいますと 帰り来て 我に告げ来む 人も来ぬかも
(巻11-2384)
私の夫は無事ですと、帰って来て私に教えてくれる人が、来て欲しいのです。
妻が旅先の夫を心配する歌。
夫は、地方から防人、あるいは都の衛士にでも出向いたのだろうか。
(防人の任地は主に北九州方面など。期間3年で交代)
(衛士は、宮門の警護、養老令では1年任期、後に3年で交代)
期間が終わり、地方に戻って来た人に、夫の安全を聴きたい、それで自分(妻)も安心したいと思うのである。
ただ、行き帰りの道中とて、危険が無いわけでない。
盗賊等に襲われ、行き倒れも多かった。
妻としては、とにかく無事に戻って来るまでは、不安でならなかったと思う。




