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はしきやし 誰が障ふれかも
はしきやし 誰が障ふれかも 玉鉾の 道見忘れて 君が来まさぬ
(巻11-2380)
君が目を 見まく欲りして この二夜 千歳のごとも 我は恋ふるかも
(巻11-2381)
いったいどうなっているのでしょう、誰が邪魔をしているのでしょうか、わかりきった道を見忘れて、あの方はまったく来てくれないのです。
あなたにお逢いしたくて、この二晩というものを、まるで千年の時のように、私は待ち焦がれているのです。
この二首も、本当にわかりやすい、男を待ち焦がれる女の歌。
なかなか、「誰が邪魔をするのか」、「千年の時のように」など、実に切実なわかりやすい表現になっている。




