772/1385
我れゆ後 生まれむ人は 我がごとく
我れゆ後 生まれむ人は 我がごとく 恋する道に あひこすなゆめ
(巻11-2375)
ますらをの 現し心も 我はなし 夜昼といはず 恋ひしわたれば
(巻11-2376)
私より後に生まれて来る人は、私のように恋などという苦しい道には決して足を踏み入れてはなりません。
男としての気概も、私にはない。これほど夜昼もなく、恋しくてたまらないのだから。
典型的な恋煩いの歌二首。
どんな時代、どんな人にも、恋には盲目。
人間の心理から消えることはない。




