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かくばかり 恋ひむものそと 知らませば
かくばかり 恋ひむものそと 知らませば 遠く見つべく ありけるものを
(巻11-2372)
これほどまでに恋に苦しむとわかっていたならば、遠く離れて自分には無関係な人と思っているべきだったのです。
一度逢瀬があり、その後が続かなかった関係なのだと思う。
もう一度、逢いたい。
しかし、その兆しもなく、苦しむばかり。
こんなことなら、結局は続かない関係とわかっていたならば、逢うことなどせずに、ただ憧れているだけのほうが、よかったと嘆く。
これも失恋経験を持つ人なら、誰しも抱く思いである。




