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万葉恋歌  作者: 舞夢
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泊瀬の 斎槻が下に 隠したる妻

泊瀬の 斎槻が下に 隠したる妻 あかねさし 照れる月夜に 人見てむかも

                             (巻11-2353)

ますらをの 思ひ乱れて 隠せるその妻 天地に 通り照るとも あらはれめやも

                             (巻11-2354)


泊瀬の神聖な斎槻の影に隠した妻は、万が一、このあかあかと照らす月の夜に、他人に見つけられてしまわないだろうか。


いや、あなたほどの立派なお方が心を砕いて隠してくれた妻なのです。天地全てを月が照らしたとしても、見つかりはしません。


泊瀬の斎槻(奈良県桜井市初瀬付近の峡谷)は、人が入るべきではない神聖な場所。そこに隠すということは、誰にも見つからないように愛人を囲ったのか、それでも万が一・・・、と男は不安になる。

しかし、愛人からの返事は「決して見つかりはしません」としっかりとしたもの。


つまり、どんな時代でも、男は美人の妻が心配になるらしい。

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