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誰が園の 梅の花そも
誰が園の 梅の花そも ひさかたの 清き月夜に ここだに散り来る
(巻10-2325)
※ひさかたの:月に掛かる枕詞。
いったい、どなたの庭の梅の花なのでしょうか。
この素晴らしく澄んだ月夜に、ここまでひらひらと舞い散って来るのです。
梅は舶来。
特に貴族に好まれ、その庭園に植えられた。
この歌の場合は、白梅と思われる。
美しい月夜、芳香とともに、白梅の花びらが散って来る。
なかなか風情のある月夜で、冬の歌に入っているけれど、早春のうれしさを感じさせてくれる。




