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万葉恋歌  作者: 舞夢
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あしひきの 山かも高き 巻向の

あしひきの 山かも高き 巻向の 崖の小松に み雪降り来る

                     (巻10-2313)

※あしひきの:山にかかる枕詞。


巻向の 檜原もいまだ 雲居ねば 小松が末ゆ 淡雪流る

                     (巻10-2314)


山が高いからだろうか、巻向の崖に生えた松に、雪が降っているのが見える。


巻向の檜原の上には雲がないのに、松の梢には泡雪が流れているのが見える。



二つの歌は、柿本人麻呂歌集から。

自分の周りではなく、高い山だけに雪が待っている様子を、視線を上下させて詠む。

見る世界の大きさが、いかにも人麻呂と思う。


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