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朝咲き 夕は消ぬる 月草の
朝咲き 夕は消ぬる 月草の 消ぬる恋も 我はするかも
(巻10-2291)
朝に咲いて夕方には消えてしまう露草と同じで、あとかたもなくなってしまうような恋を私はしているのです。
ほとんど声をかけることもできずに、あっと言う間に終わってしまう、そんな切ない恋の表現なのだと思う。
あるいは、告白したけれど、簡単に断られ、みじめな思いで引き下るしかなかった。
断った人には、自分より魅力のある相手がいて、「負け」を認めてしまう。
そして自分の至らなさを自分自身が責め続ける。




