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我がやどの 萩咲きにけり 散らぬ間に
我がやどの 萩咲きにけり 散らぬ間に はや来て見べし 奈良の里人
(巻10-2286)
我が家の庭の萩が美しく咲いております。
散ってしまう前に、早くお越しになって見るべきと思うのです。
奈良の里に住む貴方。
作者の住居がどこにあったのかが、不明。
飛鳥か藤原京か。
それとも同じ奈良京に住みながら、なかなか来ない相手への皮肉か。
その意味で「遠く離れた田舎」を意味する「里」を使ったのか。
いずれにせよ待つ妻の歌で、「浮気をしないで、さっさと来なさい」の意味の歌と思う。




