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和妹子は 衣にあらなむ 秋風の
和妹子は 衣にあらなむ 秋風の 寒きこのころ 下に着ましを
(巻10-2260)
我が妻が、衣であって欲しいと思います。
秋の風が寒くてつらい今日この頃、常に肌に着ていたいと思うのです。
秋風が寒い日に、妻と離れている夫の歌。
早く家に帰って妻の身体の温かさを感じたいけれど、それは難しい。
あくまでも願望ではあるけれど、妻が衣になって欲しい。
そうすれば、寒さをしのぐことができる。
尚、古代は、好きになった男性に、女性が自分の着ている下着を贈ることは、ごく一般的な行為としてあった。
女性としても、常に自分の気持ちを感じていて欲しいとの思いがあったようだ。




