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高松の この峰も狭に 笠立てて
高松の この峰も狭に 笠立てて 満ち盛りたる 秋の香の良さ
(巻10-2233)
※高松の:高円山。
高松の、この峰が狭過ぎるとばかりに、笠を立てて満ち溢れる、秋ならではの香りの、何と素晴らしいことだろうか。
峰一面に、松茸が生えていたらしい。
その松茸からの香りを、喜んでいる。
万葉集の中で、珍しい題材で、他には収録されていない。
現代では考えられない光景ではあるけれど、戦後のある時期までは、そのような松茸林立の状態も残っていたようだ。
うらやましい限りではあるけれど。




