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万葉恋歌  作者: 舞夢
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故郷の 初もみじ葉を 手折り持ち

故郷の 初もみじ葉を 手折り持ち 今日ぞ我が来し 見ぬ人のため

                         (巻10-2216)

故郷の初もみじ葉を手折り持って、ついに今日は出向いて来たのです。

まだ、これを見たことのない都の人のために。


故郷は明日香京、あるいは藤原京。

染まり始めた黄葉の葉を、土産として、奈良京に持って来たと思われる。

「見ぬ人」は、当然奈良京の人になるけれど、それを喜ぶだろうと思って土産にするのだから、故郷を知っている旧知の人。

かつては一緒に故郷の紅葉を眺めた恋人とも、想像できる。

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