700/1385
しぐれの雨 間なくし降れば 真木の葉も
しぐれの雨 間なくし降れば 真木の葉も 争ひかねて 色づきにけり
(巻10-2196)
※真木の葉:杉、檜などの常緑樹であるが、黄葉がないわけではない。
いちしろく しぐれの雨は 降らなくに 大城の山は 色づきにけり
(巻10-2197)
※大城の山:大宰府大野山山頂にかつて、城があった。
時雨が絶え間なく降り続けていたので、真木の葉さえも、争いきれずに色づいてきました。
それほど時雨が降ったわけではないけれど、大城の山は、紅葉を始めました。
杉や檜は常緑樹であるけれど、永久に青々としているわけではない。
生物である以上、古くなった葉はいつか枯れて落ちる。
その過程の中で、杉や檜も黄葉がある。
ただ、葉の寿命が2年以上あるので、黄葉の分量は少ない。




