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雁がねの 来鳴きしなへに 韓衣
雁がねの 来鳴きしなへに 韓衣 竜田の山は もみち初めたり
(巻10-2194)
※韓衣:大陸風の衣。竜田の枕詞。
※竜田の山:奈良県生駒郡竜田本宮の西の山。紅葉の名所として知られる。
雁がねの 声聞くなへに 明日よりは 春日の山は もみち初めなむ
(巻10-2195)
雁が渡って来た途端、竜田山は見事に紅葉し始めました。
雁の鳴き声を聞くようになったので、そろそろ明日ごろから、春日の山は紅葉し始めるのでしょう。
どちらの歌も、雁の鳴き声から、山の紅葉が始まると詠む。
その意味で、雁は紅葉を告げる使者とも言える。




