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夕立ちの 雨降るごとに 春日野の
夕立ちの 雨降るごとに 春日野の 尾花が上の 白露思ほゆ
(巻10-2169)
※夕立の雨:現代と同じ意味。ただ、万葉集中では、この歌ともう一首(巻16-3819:夕立の 雨うち降れば 春日野の 尾花が末の 白露思ほゆ)にのみ使われている。
夕立ちの雨が降るたびに、春日野の尾花の上の白露を思ってしまうのです。
かつて春日野で夕立にあい、その後、尾花に残った雨露が夕日を受けて輝いて、とても美しく感じた。
それだから、夕立にあうと、今でもその時の美しさを思い出してしまうと詠む。




