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秋萩に 置ける白露 朝な朝な
秋萩に 置ける白露 朝な朝な 玉としそ見る 置ける白露
(巻10-2168)
秋萩に置かれた白露を毎朝、玉として見ております。この置かれた白露を。
「置ける白露」が第二句と第五句で重なっている。
古代の歌謡曲のスタイルと言われている。
おそらく、宴席で歌われたと思う。
尚、古代の「玉」は「魂」の象徴とも見られ、呪力を持つと信じられていた。
この歌の場合は、毎朝見る萩の上の白露を「玉」として見て、褒めたたえている。
その愛らしい美しさに、聖なるものを感じたのかもしれない。




