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夕影に 来鳴くひぐらし ここだくも
夕影に 来鳴くひぐらし ここだくも ひごとに聞けど 飽かぬ声かも
(巻10-2157)
夕暮れ時に飛んで来て蝉が鳴いているけれど、これほどまでに毎日聞いていて、全く飽きることがないのです。
夕暮れ時に、しんみりとして聞く蝉の声。
作者は、毎日聞いても飽きることがないと詠む。
一日をほぼ終え、夕焼けの中、ほっとしている時間帯、涼し気な風とともに、蝉が一斉に鳴く。
そのままの気持ちを詠んだ歌ではあるけれど、その雰囲気を想像してみると、確かにそう感じるような気がする。




