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秋田刈る 仮廬のやどりに にほふまで
秋田刈る 仮廬のやどりに にほふまで 咲ける秋萩 見れど飽かぬかも
(巻10-2100)
※秋田刈る 仮廬のやどり:古代、稲刈りの際に、田の近くに寝泊りができる仮小屋を作った。
秋の田を刈る仮設小屋が染まってしまうほどに秋の萩が咲いています。
本当にいつまで見ても、見飽きることなどありません。
現代のように機械で稲を刈るわけではなく、全て人力で、こなさなければならない。
田が広ければ、時間がかかる困難な作業になる。
しかし、その困難な作業を慰めるかのように、萩が美しく咲く。
これも実感がこもった名歌と思う。




