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ま葛原 なびく秋風 吹くごとに
ま葛原 なびく秋風 吹くごとに 阿太の大野の 萩の花散る
(巻10-2096)
※阿太の大野:奈良県五條市阿田付近の野。吉野川沿い。
葛が生い茂る原をなびかせる秋風が吹くたびに、阿太の大原の萩の花が散っていく。
この歌は、万葉集の中でも、名歌の人一つ。
葛原に秋風が吹くと、その白い葉裏がなびき、野原一帯に美しい白波が立つかのようになる。
そして、その先を見ると、可憐な萩の花が、舞い散っている。
美しい風景写真のような歌。
ただ、そのままに鑑賞したい。




