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六月の 地さへ裂けて 照る日にも
六月の 地さへ裂けて 照る日にも 我が袖乾めや 君に逢はずして
(巻10-1995)
六月の地面さえ乾いて裂けてしまうような、日差しが強い日であっても、私の袖が乾くことはないでしょう。貴方にお逢いすることがかなわないので。
六月は旧暦なので、梅雨もあけた真夏。
その真夏で、カンカン照りになると、土が乾き裂けてしまう。
そんな状態であっても、恋する人に逢えない女性は、泣き続けるのみ。
だから、その涙を拭く衣の袖も乾くことがない。
直線的な思い、刺激的な表現、様々な評論があるけれど、その通り。
本当の恋には、真夏の熱さもかなわないのだと思う。




