669/1385
ひぐらしは 時と鳴けども 片恋に
ひぐらしは 時と鳴けども 片恋に たわやめ我は 定まらず泣く
(巻10-1982)
※片恋に:片思いのため。
ひぐらしは、時を定めて鳴くけれど、片思いが続いて弱った私は、いつも泣いているのです。
ひぐらしの鳴く時間帯は、ほぼ定まって夕方が多い。
男が訪れなくなり、今夜も訪れる希望がない。
そんな時期が続き、片思いとなってしまった作者は、心も弱り、常に辛くて、常に泣いている。
この歌を詠んだ時間帯も、おそらく夕方。
やはり、男に飽きられた女は、辛い。




