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雨間明けて 国見もせむを 故郷の
雨間明けて 国見もせむを 故郷の 花橘は 散りにけむかも
(巻10-1971)
※国見:本来は、大王や地方の首長が高いところから土地の様子や人々の暮らしを観察すること。この歌では、個人的に故郷(おそらく明日香京)を望む心理。
降り続いた雨が止み、国見をしたいと思うけれど、故郷明日香の橘の花は、雨に打たれて散ってしまったかもしれない。
故郷の橘を懐かしみ、出来れば帰りたいと思っている。
降り続いた雨がようやく止んだけれど、故郷の橘の花は、おそらく散ってしまっただろうと、不安になる。
仕事のためとはいえ、別居生活をすると、故郷に残した愛しき対象は、何につけ、気にかかる。




