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我が衣 君に着せよと ほととぎす
我が衣 君に着せよと ほととぎす 我をうながす 袖に来居つつ
(巻10-1961)
私の衣を貴方に着せましょうと、ホトトギスが私にしきりに催促するのです。
飛んで来て私の袖にとまって。
古来、解釈が難しいとされた歌。
そもそも、ホトトギスが人間の袖にとまって鳴くなど、ありえない。
ホトトギスの鳴き声を「コロモキセヨ」と聞き取ったとの説もあるけれど、それも、無理がある。
そうなると、中国の絵画で、ホトトギスが人(仙人)の袖にとまって鳴いているものがあって、それを見て詠んだ虚構的な歌なのかもしれない。




